保育日記

成長の証

昨日2月19日は、雪が雨に変わり、水がぬるみ、草木の芽が出始めるころとされる「雨水（うすい）」という日でした。保育園では毎年この雨水の日に一階の玄関ホールと二階のホールに4・5歳児がひな人形（七段飾り）を飾り付けてくれるので、そこだけは一足早く春が訪れます。毎年飾られるひな人形だというのに、多くの子どもたちが興味津々で、ひな壇の前で足を止め、持ち物や表情の違う人形をじ～っと見つめています。中でも、5歳児M組のSちゃんと2歳児H組のS君の姉弟は昨日の夕方お迎えに来てくれたお父さんと一緒に人形たちを眺めていたのでS君に「このお人形たちねえ、夜になってみんながいなくなると動き出して、太鼓をたたいたり、笛を吹いたりして踊ってるんだよ！」と冗談を言うと、少しばかり顔をこわばらせ、後ずさりしました。今朝そんな二人が登園してきたとき「おはよう！お人形たち動いていたかどうか見てみてね」と声をかけると、昨日の夕方のことを思い出したのでしょう、そうだった！という表情で「うん！」と返事をして走って玄関へ向かっていきました。しばらくして園庭で遊んでいた姉のSちゃんに「Sちゃんお人形たちどうだった？」と聞いてみると安心した様子で「昨日と同じだった」と笑ってました。しかし、もしかすると、子どもたちに人気のあるピ○サーの人気CGアニメ「ト○・○ト○リ○」のおもちゃたちのように夜な夜な楽しく過ごしているかも知れません。
　さて、今日は4歳児H組の子どもたちと一緒に大河原公園に白鳥を見に行ってきました。もし北帰行してしまっていていなかったらどうしよう！？という不安を抱え出発しましたが、先日5歳児と出かけた時同様、数羽の白鳥とたくさんのカモとウミネコが出迎えてくれました。子どもたちは興奮しながら持参してくれたパンやお米を「はい食べて～！」と言いながら与えていました。そこへ、お母さんとおばあちゃんと一緒に女の子がお散歩にやってきました。僕はその子が見たことのない大勢の子どもたちに委縮してしまい近づけなかったり、場合によっては帰ってしまうようなことも考えましたが、お母さんとおばあちゃんが一緒という安心感からか子どもたちの近くまでやってきました。すると、餌をもっていないことに気づいたのか、複数の子どもたちが「はい！これあげる」「食べさせてみて」と何度となく餌を分けてあげるではありませんか！！その様子に女の子も、お母さんとおばあちゃんも驚きながらも嬉しそうにしていましたが、子どもたちがこんな風に優しく育っている、確実に成長しているという跡が感じられ、園長として嬉しくもあり誇りに感じる時間でもありました。それだけではありません、餌をあげて空になったM君のビニール袋が風に吹かれ河川敷を結構な勢いで飛んで行くと、担任のY先生がそれ以上の勢いで追いかけて見事に確保する姿は槍を持ち狩猟する民族のようで見ていて可笑しく、子どもたちも大笑いしていました。また、同じように袋を飛ばされたM君も草に絡まってようやく止まるまで100㍍ぐらいの距離を必死で追いかけていましたが、その姿はまるでサバンナでガゼルを必死に追いかけるチーターのように思えてなりませんでした。些細なことかもしれませんが袋を追いかけるＹ先生やＭ君のそんな姿もゴミは持ち帰るということをしっかり学んでいること伝えてくれている証だと確信しています。

2018年02月20日（火） No.2253 (園長日記)

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