Diary

盗み盗まれ、伝え伝えられ


毎年北の国からやってくる白鳥を見に5歳児の子どもたちと一緒に大河原公園の河川敷に行ってきました。あいにく白鳥は数羽しかいませんでしたが、数えきれないほどのカモと内陸だというのにカモメかウミネコが子どもたちを出迎えてくれました。子どもたちは白鳥に食べてもらおうと持ってきてくれたパンやお米を投げるものの白鳥に届くことなくカモに食べられてしまいます。それならまだしもカモたちの上空をホバリングしながら餌を狙っているカモメが子どもたちが投げたパンを空中でキャッチして食べるのですから「も〜っ!」と悔しがる様子が何度もあり、遂にはカモメたちを追い払うため「こら〜!」と叫びながらパンを投げていました。それでもカモメたちはおかまいなしにパンを盗み食いし、子どもたちが持っていきた餌が底をつく頃、満足したのかどこかへ飛んで行ってしまいました。おそらく河原では日々こんな風に餌の争奪戦が行われているのでしょうが、カモメたちの素早さには驚きでした。
 さて、最近色々なクラスの子どもたちが園庭で手を繋ぎ「はないちもんめ」をして遊ぶ姿を見かけます。しかし、よ〜く見て(聞いて)いると僕の知っている歌詞と違いやけに短かったりするのです。今日も4歳児H組の子どもたちが担任のY先生と遊んでいたのですが、「か〜ってうれしいはないちもんめ」「まけ〜てくやしいはないちもんめ」「あのこがほしい」「あのこじゃわからん」「そうだんしましょ」「そいしましょ」と歌いながら遊んでいるのです。まるで15秒のCMのようなその短さに驚くものの、可笑しくて「ねえ、入れて」と言ってM君と手を繋ぎ仲間に入れてもらいました。そこで、僕の知ってるバージョンを歌いながら遊んでみると「えっ〜何それ!?」「知らな〜い」「変なの」という反応ばかり。それだけではありません、誰がほしいか指名された子どもたちを獲得するため勝負はジャンケンばかり。そこで、かけっこで勝負をするなどしてみると、またしても「えっ〜!ジャンケンじゃなきゃダメなんだよ」とか「えっいやだ〜!」という声ばかり。それでも何度か園長バージョンでやってみるとそれなりに受け入れてくれて遊びが続きました。若い先生たちが子どもたちと伝承遊びをしている姿はほのぼのとしていていいものです。遊びに限らず、先輩が保育の真髄をしっかりと伝えてあげる、後輩はしっかりと伝えてもらう、また先輩たちの保育を見て良いところを盗む、先輩たちは盗まれるような保育ができる、そんな関係・組織でありたいものです。
2018年02月08日(木) No.2246 (園長日記)

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