Diary

ぼくらはみんな生きている


進級・入園から1ヶ月以上が過ぎ多くの子どもたちが保育園生活に慣れ、生き生きと過ごしてくれるようになったことを感じます。梅雨前の気持ちのいい五月晴れの下、園庭で遊ぶだけでなく5歳児は保育園と駅までの中間地点にある公園へ、2歳児つき組の子どもたちは近所の公園に散歩に出かけられるようになりました。また、0歳児ひかり組の子どもたち、1歳児そら組の子どもたちも食べる量と同じくらいこぼしているように思えるのですが、それでもきちんと椅子に座り給食を食べる(食べさせてもらう)など、生活習慣が身についてきているように思います。また、昨日夢中になってカラスノエンドウを収穫したT君とお母さんが降園する際「生はダメだと思うけど、これ食べられるんだよ」とお話ししたところ、帰宅後本当に茹でて食べてみたそうです。大丈夫と伝えておきながら心配になって調べてみると「生は毒がある」と・・・。しかし、今朝お父さんから「おいしかったです」という報告を受けホッとしたのでした。それが良かったのかT君に刺激を受け沢山の子どもたちが園庭のあちこちにしゃがみ込みカラスノエンドウの収穫に夢中になっていました。
一方、昨年度まだ寒さが残る㋁、2/5〜2/7の3日間という限られた時間の中で突貫工事のようにして作った丸太でできた、子どもたちが「ジャングル」と呼ぶようになった迷路のようなスペース(遊具)。完成から3ヶ月以上が経ち作業していた時には道具を使って頑張っても剥がすことができなかったケヤキの皮が乾燥して剥がれるようになり、また、子どもたちが毎日のように遊んでいることで完成時にはびくともしなかった丸太が若干動くようなところが出てきました。そこで、子どもたちが怪我などしないように、点検整備のためスコップを手に皮を剥がしたり揺れないように土を掛けるなどしたのですが、なんと、数本の丸太から新芽(枝と葉っぱ)が伸びていることに気付きました。ダンプの荷台に載せられ園に運ばれて来たときにはすでに枝も葉も払われていて生きているのか枯れているのか分かりませんでしたが、きっと切られたばかりでしっかりと水分を蓄えていて直ぐに新たな環境に植え替え(挿し木)されたような好条件となったこと、程よく雪や雨が降ったこと、そして何より、子どもたちが気付かなかったのか、興味を示さなかったのか、新芽を摘むこと(摘まれること)がなかった奇跡が重なったのでしょう。もし丸太にまだまだ生命力が残っていて誰にも邪魔されることがなければ、薪としていただいた直径10cm程度だったヤナギが職員室の前で生き生きと育っているように、しっかりと根付き数十年後には本当のジャングルを作ってくれるかも知れません。
 さて、梅の木に実っている実が確実に大きくなるなど、子どもたちも植物たちも生き生きしている一方で、ウクライナでは争いのため尊い命が失われ、日本では元気の象徴のような俳優や笑いを提供する芸能人が自ら命を絶つというショッキングな出来事、そして、長い間、保育園の理事をなさってくださっていたSさんが天に召されるという悲しい知らせがありました。生きていると辛く悲しいことがありますが、生きているからこそ喜びや楽しさも感じられるのです。Sさんのご冥福を祈るとともに、改めて生きていることに感謝して過ごしていきたいと思います。
2022年05月18日(水) No.3301 (園長日記)

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