Diary

雨の後の宝物


梅雨入りしたとはいえ、暑い日が続いているからなのでしょうか、先週金曜日、今年初めて蝉の鳴き声が園庭に響きました。多くのセミたちは約7年間もの長い時間、土の中で生活し、地上に現れたあと、たった2週間程度という短い時間だけ生きてその寿命を終えます。今朝、外の掃き掃除をしていると、グラジオラスの葉に泥汚れのような何かが止まっているので、カナブンなどの甲虫だろうと思いながら近づいてよく見てみると、雨上がりで柔らかくなっていた土から出てきた小さなセミの幼虫が羽化するために掴まっていました。虫好きの子どもたちに見つかってしまえば間違いなく羽化することなく(できず)明るい世界での生活を満喫できないまま寿命を終えてしまうことになってしまったことと思いますが、幸い園庭を取り囲むフェンスの外だったこともあり、誰にも気づかれることなくじっとしていました。本当は羽化する様子と空に飛び立つ姿を見たかったのですが、誰にも見つけられず、鳥に食べられることなく空に飛び立ってくれることを願いその場を離れました。園庭では4歳児あい組のN君、M君たちが樹齢何十年ものケヤキ作られた大きな臼に溜まった水とそこに入れられていた枝や石ころ、木の皮などをラーメンに見立て、お玉や湯切り用の麺あげを使ってラーメン屋さんごっこを始めていました。それにしてもどこで覚えたのか、その手捌きの見事なこと。とても様になっていました。一方、1歳児そら組のA君は顔に泥水が飛び散っていることもお尻がびしょ濡れになっていることも靴が片方脱げていることも気にする様子も微塵もなく独占した水溜りにどっかと座り自分の世界に入り込んでいました。また、雨の心配など皆無の暑い中、事前に拾い集めていた焚き付け用の木の皮や小枝などを運び5歳児はご飯炊きを行いました。いつもならばドッジボールや虫探しや乗り物で遊ぶ子どもたちまでもが炊き上がりを楽しみにしていて、かまどの周りから離れることはありませんでした。M先生・R先生、2人の担任が心配していた炊き上がりですが、水加減・火加減ともに最適だったようで、炊飯器ではできない程よいおこげができた美味しいご飯が炊き上がり、給食がおかずだけとならずに済みました。かまどでご飯炊きをする近くでは3歳児てんし組の子どもたちがあるものを作るためにコーヒーのドリップに使うペーパーフィルターを使って染め紙をしていました。今日の日差しと風で乾くのはあっという間だったと思いますが、この染められたフィルターで何が出来上がるか楽しみにしていてください。
2021年06月30日(水) No.3086 (園長日記)

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