Diary

はっけよいのこった!


お爺さんが山で柴刈りをしていると、どこからともなく「でんかしょ、でんかしょ」というかけ声が聞こえる。声のする方に行ってみると、ネズミが二匹相撲を取っていた。太っているネズミは長者のとこのネズミで、痩せているネズミはお爺さんの家のネズミだった。お爺さんは痩せているネズミが負けっぱなしなのを哀れんで、その日餅をついてネズミに食べさせてやった。こんなあらすじの「ねずみのすもう」をご存知でしょうか?結末は想像がつくと思いますが、環境が変わり衛生的になった現代の生活様式を考えれば家に“ねずみ”が出てくるなんてことはあり得ないでしょうし、ましてや、もし出てきたとしてもお餅を食べさせてあげるなんてことはそれこそあり得ない話。しかし、この昔話を読んだり聞いたりしてもねずみが出てくることを想像してゾッとすることはなく、それどころか、なぜだかほっこりさせられます。
 さて、そんなねずみのすもうではありませんが、先日5歳児の男の子たちと相撲をしたことがきっかけとなったのか今朝もM組の男の子数人が「ねえ、園長先生、相撲しよう」と誘いにきてくれました。折角の誘いだったのでわずかな時間ですが相手をしてもらうことにしました。そして、前回も感じて今日改めて感じたことがあります。それは僕が保育の現場に立った○○年前の子どもたちよりも今の子どもたちの体つきは大きくなっているものの反対に体力は明らかに落ちているということです。当然のことながら僕は歳を重ね体力が落ちているのに子どもたちの押す力(圧力)をほとんど感じられないだけでなく、すぐに諦める、あるいは転んでしまうのです。その一因として子どもたちが外で自由に遊べる環境が減っていること、また、当時よりゲームなど家の中で遊べるようなアイテムが増えているということ、そして、サッカーや野球などのスポーツに人気が集まり、相撲に興味・関心を示す子どもはほとんどいないということなのでしょう。他の園に比べても大きな園庭で日々身体を動かして遊んでいると思われる子どもたちでそう感じるのですから、園庭などないに等しい都会の保育施設で過ごしている子どもたちのことを考えると心配になってしまいました。かといってそんな子どもたちが強くなれるようにお餅を食べさせたものなら、動くことが少ないのですから、あっという間に体重だけが増え益々動けなくなるのでしょうね・・・。
2019年01月22日(火) No.2477 (園長日記)

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