Diary

Imagination


今日の礼拝のお話は絵本や紙芝居にもなっている、ルカによる福音書に書かれている「良いサマリア人」というとても有名な箇所がテーマ(テキスト)でした。聖書のお話をするとき、聖書に書かれている言葉を子どもたちが理解できるようにある程度かみ砕いて伝えてあげるようにいつも心がけていますが、かといって、かみ砕きすぎてもよくありません。そう考えると簡潔にまとまられている絵本や紙芝居を読んであげることは分かりやすく内容もよく伝わります。しかし、今日は特に4・5歳児には話す内容を頭の中でイメージして欲しかったので、あえて絵本や紙芝居を使う(読む)ことはせず「今日のお話はこの絵本のお話だよ」と前置きし、表紙だけ見せてからお話しすることにしました。また、聖書の箇所とは別に子どもたちがイメージできるお話を準備し話してみました。するとどうでしょう、5歳児の子どもたちは聖書の箇所そのものより、別に準備しておいたお話に興味を持ってくれたらしく、目を見開き、身を乗り出し「えっ〜!」とか「どうして?」と言いながら聞いてくれました。そんな子どもたちの頭の中では僕が話したお話に登場した「靴」「パン」「ぶどう酒」「シチュー」「アップルパイ」などを脳の中でイメージし、映像化していたと思います。その一方で経験値の差から子どもたちがイメージした映像は一人ひとり違っていたことも間違いないでしょう。
 近年、様々なメディアが普及し子どもたちが映像に触れることが当たり前な時代になりましたが、たった50数年前の日本ではやっと一般の家庭にテレビが普及し始めた頃で、親が絵本を読んであげたり、読み聞かせをしたり、素話(絵本や紙芝居など一切の小道具を使わずに話す素朴なお話のこと)してあげることが当たり前だったはずです。僕が幼稚園教諭として勤めていた時にも随分素話を聞かせてあげました。「絵がなくても話をイメージしながら聞けるようになると、それまでぼんやりと聞いていた言葉を初めて『生きた言葉』としてとらえることができるようになると言われるだけでなく、言語理解能が深まり人の心情を想像する力やコミュニケーション能力も高くなると言われるほどとても大切な素話、難しく考えることなく、まずは自分が知っている物語や経験を語ってみてはいかがでしょう?明日は暫くぶりに"ごろすけおばちゃん"のお話の部屋があります。時々素話もして下さることがありましたが、先週お電話した時には「今回は絵本を読ませてもらいます」とおっしゃっていました。どんなひとときになるか覗きにいかなければ・・・!
2018年09月25日(火) No.2397 (園長日記)

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