Diary

迫真の演技


9時40分、4歳児T組のM先生が慌てた様子で園庭から職員室へ飛び込んで来て「すみません、今、バスが止めてあるあたりに、帽子をかぶりマスクをした見たことのない人がいるのですが・・・」と報告しに来ました。これは、本当のことではなく、子どもたちを交えた初めての「防犯訓練」だったのですが、あまりにも慌てた様子は「迫真の演技」そのもので、訓練ではなく、本当に見たこともない不審者が園に来たと僕が慌ててしまうほどでしたが、僕以外の先生方は予定していた役割分担通り子どもたちをランチルームに集めてくれました。突然の出来事に子どもたちは驚いていましたが、避難訓練のように非常ベルが鳴ることはなかったせいか、比較的落ち着いて避難できたように感じました。このように避難するような出来事が起きることはあってはなりませんが、今日の訓練で感じたことを振り返り、最悪の事態が起きた時に対応できるようにしていきたいと思います。ところで、役割分担で不審者の第一発見者となったM先生は訓練開始時間を迎えるまでドキドキしながら保育をしていたのでしょうが、そんな緊張感など感じさせることなく朝から5歳児を相手に本気で鬼ごっこをするなど元気いっぱいでした。ところが、夕方職員室で先生たちが集まり、M先生が作ったと言うクリスマスのステンドグラス(セロハンやプラ板を駆使して作った)を見せてもらい「凄〜い」とか「頑張ったね」と話をしている時「はい、頑張りました。昨日は1時間しか寝てません」との発言にみんなビックリし、「1時間だけ寝てよく起きられるね」と話に花が咲きました。アドベントに入るとどこかで綺麗なステンドグラスが輝くかと思いますが、その時にはぜひ、M先生の頑張りを感じてください。
 さて、話は一転しますが、このところ、新聞やテレビなどを賑わせていた大相撲の暴行問題、この責任を取って、モンゴル出身の横綱が引退を発表しました。この発表に対し被害者である力士とその親方からのコメントは出ていないようですが、被害者の親方は、現相撲協会理事長の兄弟子で、ウルフのニックネームが付いていた横綱に引退を決意させましたが、引退に追い込まれた横綱は引退発表で「体力の限界、気力もなくなり引退することになりました」との名言を残しました。今回の騒動を見聞きして感じたこと、それは、「決断」と「責任」の見極めです。横綱になることの大変さはもちろん、なってからどのような品格を求められ、どのような行動をしなけらばならないかは想像を絶するものでしょう。全く立場は違えど、僕は園長としてしの品格を身につけ、しっかりとした行動ができているか考えた時、「否」な気がしてなりません。園長に限らず、仕事をしていれば誰でもいつかは「引退」と言う日を迎えることになりますが、不祥事によって「決断」と「責任」を迫られることがないように行動しながらも、自分なりに引退を常に意識しておかなければならないのでしょう。
2017年11月29日(水) No.2196 (園長日記)

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