Diary

足るを知る


11月も残り10日、日に日に寒くなってきたと思っていましたが、仙台では昨日、初雪が降り改めて冬の到来を実感しました。この寒さのお陰で保育園の畑に植えられていた冬野菜は生き生きと育ち、白菜は八百屋さんで売られているものと同じように結球し、大根やカブは青々とした葉を広げていましたのでぎゅっと甘みが増していたことでしょう。そんな畑の野菜とご家庭からご協力いただいた野菜や果物をホールに飾り、収穫感謝礼拝を守りM先生にお話をしてもらいました。今週一週間かけていつもお世話になってる方々や施設に神様の恵みをお届けしますが、今日は5歳児2クラスの子どもたちをバスに乗せ大河原警察署と大河原消防署へ出かけてきました。さすがに5歳児となると自分たちが何をしにきたか理解していることもあり、しっかりと挨拶し、讃美歌や歌も大きな声で歌うこともできた一方で、興奮のあまり落ち着かない様子の子どもたちが見られたこともありドキドキさせられ、もう少し落ち着いてと思うことがありました。今日の収穫感謝礼拝や明日の焼き芋などが終わると、今度はクリスマス礼拝に向けて聖誕劇の準備が始まります。大勢のお客さんがお見えになるクリスマス礼拝の時にはさすがに緊張感を持って臨んでくれることを期待したいと思います。
 さて、話は変わりますが、高知の先生方の活動最終日となった土曜日は青葉城址をご案内し仙台市内をご覧いただいた後、震災当時、閖上保育所で所長としてお勤めになられていたS先生にお時間を作っていただき震災当日のことを聞かせていただきました。大きな津波被害が出た名取市閖上地区にあった保育所にも関わらず、子どもたちも職員も被害に遭うことなく全員無事避難することができたのは奇跡ではなく日々の積み重ねの結果であることや、涙が流れそうになるような経験を聞かせてくださいました。その後、震災遺構となった仙台市立荒浜小学校を訪れ、語り部の方にお話を聞かせてもらいながら建物の見学をさせてもらいました。達観したかのように淡々と話してくださったその語り部の方の家ははまさに海の目の前だったこともあり何もかもが津波によって失われてしまったことを最後に知らされ驚きました。そこで感じたこと、それは、前述のS先生や語り部のSさんのように辛い体験をした方々の言葉の重みと心の強さです。この心の強さは一体どこから来るのだろうか考えましたが、人間は物を持っているとより豊かになりたいと欲が出てしまいますが、反対に何もなくなると物の有難さに気づかされ「足るを知る」という心境になるのかもしれません。とにかく、先週高知の先生方とご一緒した数日間で様々なことを学ぶことができました。
2017年11月20日(月) No.2190 (園長日記)

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