Diary

お気づきになりましたか?


保育園の玄関を入ってすぐの一階ロビー北側の窓に数日前から妙な物が張り出されていることにお気づきでしょうか?その正体はといえば、4歳児A組のN先生と子どもたちが拾い集めたセミの抜け殻で作った“セミのうた”の楽譜です。A組の子どもたちは数週間前から園庭のあちこちの木や茂みから驚くほどの数の抜け殻を見つけては飼育ケースに収集していました。しかし、この抜け殻、以前書きましたが数千年の歴史を持つという某国では漢方薬として使うようですが、さすがにN先生はそんな使い道をするはずはありません。そうかといって子どもたちが一生懸命に拾い集めた宝物を無駄にするわけにもいきません・・・。そこで使い道に困っている様子のN先生に「ねえ、もしよかったら、あの抜け殻を使って楽譜でも作ってみたら?」と声をかけてみました。ところが、奇想天外なアドバイスだったのか、N先生の最初の反応は一体何言ってるの「・・・・・?」といった感じでした。そこで、「大きな紙に、毛糸とか麻紐とかで五線を書き(貼り)そこに、抜け殻を音符代わりに付けてみてごらん!セミの抜け殻の楽譜ができるから。できることならセミが出てくるような歌だといいと思うけど、僕はセミの歌知らないからなあ」と言うとようやくイメージが湧いてきたようで「ちょうど、今。クラスでセミの歌っていう曲歌っているからやってみます」と何とも前向きな返事が・・・・。その結果があの楽譜と言うわけです。はじめはト音記号がなかったり、どこのクラスの子どもたちが作ったのかわからなかったので、「ト音記号付けてみたら?」とか「せっかく作ったんだから、誰が作ったかわかるように張り出しな!」とさらに余計なことを言ってしまったため、A組の子どもたちもN先生も大変だったことかと思いますが、世界にたった一つの素敵な楽譜が出来上がりました。
 そして、これを機に、秋にはどんぐりやクリを拾って“どんぐりころころ”や“大きな栗の木の下で”の楽譜を作るという風に工夫・発展させることもできるはず・・・。保育はこんな風に工夫して作り上げることができるからこそ楽しいのであり、保育業者が毎月発行する雑誌を真似てするものではないように思います。ちなみに、3歳児H組の保育室の廊下側の窓には落ち葉で作られた昆虫たちが貼られています。実際に動くはずはないのですが、今にも動き出しそうで見ているだけで楽しくなります。セミの楽譜や葉っぱの昆虫にお気づきでなかった方、どうぞご覧になってみてください。
2015年08月11日(火) No.1617 (園長日記)

No. PASS