Diary

見た目だけで判断は・・・。


海の“パイナップル”といわれる珍味“ホヤ”。トゲトゲだらの殻の中にあんなに美味しいものが入っているとは信じられない“ウニ”。愛嬌のあるかわいらしい姿は子どもたちに人気のありますが、その身は鶏のササミのような“マンボウ”。その他にも世の中には一見食べられないのでは?と思うものが結構あります。反対に、見た目はとても美味しそうに見えるのに食べると食中毒を起こしてしまう毒キノコなどがあります。そして、毒はないものの、決してそのままでは食さないものの代名詞と言えるのが“渋柿”!!その渋柿がほんの僅かですが園庭に実っています。子どもたちには八百屋さんや果物屋さんで売られているオレンジ色の柿とと全く同じに見えるのでしょう。時々「ねえ、園長先生、柿とって食べて良い?」と聞かれることがあります。ところが、子どもとは違い、カラスは何も聞くことなく、柿の実の甘くなった部分だけを(恐らく)ついばみ、園庭のあちこちに落としていなくなります。そんなことを知らない子どもたちは「やった〜!柿見つけた〜!」と大喜び。その度「でもね、その柿、甘くないから食べない方がいいと思うよ}と教えてあげるとほとんどの子どもたちが納得して食べることを断念するのですが、先週の金曜日、4歳児A組のS君はどうしても食べてみたいといって聞かないので「じゃあ、いいよ!ちゃんと洗って食べてごらん!でも、お口の中大変なことになっても知らないよ」と話して食べてもらったのです。すると、S君はそれはそれは嬉しそうにかぶりつき「うん!あま・・・」と言ったところで、完全に動きが止まり数秒後に顔をしかめ、舌を出し「ううぇ〜〜〜〜!やっぱり、すっぱい(渋いの意)」と言ってついにゴミ箱に柿を吐き出すこととなりました。物が今ほど豊かでなかった時代の(たった数十年前)、子どもたちはこんな風にして柿が甘いか渋いかを自分たちで覚え、甘い柿の実を(失敬して)食べていたものです。今回渋柿をかじったS君は今後、保育園の柿の実を食べたがることはないでしょう。
 さて、柿の実と同じレベルで比較することではありませんが、保育も時に一見遊んでいるだけのように見られてしまうことがあります。しかし、遊びの中に見ただけではわからないような、しっかりとしたねらいと目標があり、だからこそ学びがあることを常に意識し、そのことを保護者の方に理解して頂けるように伝えながら子どもたちと関わっていきたいと思います。
 そうそう、このところ毎日落ちてくる桜の木の葉!一枚一枚は軽いのですが、軽いが故に掃き集めたのに風が吹いたり、送迎のためにやって来る車の勢いで吹き飛ばされたり・・・。見た目以上に重労働なのです。だからこそ、朝方Tシャツ姿でないと暑くて大変になるのですが、そんなことは分からない保護者の方や子どもたちが僕の姿を見て「園長先生大丈夫!?」と声を掛けてくれたり、ニヤニヤしたり。本音を言えば、もっと簡単に落ち葉を掃除できるように、一気に落ち葉を吹き飛ばす“ブロアー”があるといいのですが。
2014年10月20日(月) No.1407 (園長日記)

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