保育日記

誰が何のために

多くの場合、Ｔシャツに短パンといった超カジュアルな格好で仕事をしている僕が、いつもと違う格好をしていると保護者の方たちも子どもたちも直ぐに何かがあると気付くようです。今日は県南、２市７町の保育所（園）の所（園）長研修会があったため、いつもよりフォーマルな格好で出勤し、いつものように掃除をしていたのですが、5歳児クラスRちゃんと3歳児クラスY君を送って来たお母さんがY君に「ほら今日、園長先生おでかけだよ」と話しかけているではありませんか(ﾟﾟ)。「いつもと全然違う格好だとわかってしまいますね(^^ゞ」と笑ったのですが、夕方、会議を終え園に戻った際も、お迎えにきてくださったおばあちゃんと降園する5歳児B君が僕を見るなり「変な格好」と言うのです。もちろんB君は変な意味で言っているのではなく、いつもと違う僕の出で立ちに素直な感想を述べてくれたのだと思います。本来、園長たるものＴシャツに短パンといった超カジュアルな格好で仕事をするのではなくネクタイを締めるなど、節度ある出で立ちでなければならないのでしょうが、子どもたちと気兼ねなく関わりあうことが出来るようにTPOに合わせた格好をしたいと思います。
　ところで、まだ言葉で自分の気持ちを上手に伝えることの出来ない乳幼児の気持ちを知る術は、身振り、姿勢、表情といった非言語のコミュニケーションということになります。また、乳幼児に限らず、老若男女行動には必ず意味や目的があるはずです。お腹が空いたから食べる、試験があるから勉強する、眠いから寝る、体調が良くないので病院に行く、健康のために走る、雨だから傘をさすetc。（僕はたったいま自分が何をしようと思っていたか忘れることがありますが…）中には一見、何故と思うようなことや無駄と思える行動にも必ず意味や目的があるはずです。同様に余多ある仕事（職業）にも何らかの目的があります。その多くの目的は利益を生み出すということになるでしょう。そして、そこで働く優秀な企業戦士たちの模範解答は当然会社の利益を生み出すこととなるのでしょう。しかし、それ以外に家族のため、あるいは自分の目標達成のためという考えを持つことも決して間違いではないと思います。一方、福祉施設である保育所（園）の目的は利益ではなく、働く方々のお子さんをお預りし、子どもたちが健康、安全で心（情緒）の安定した生活ができる環境の中で一人ひとりが力を十分に発揮しながら活動し、健全な心身の発達が図れるような保育をするところと言えるでしょう。
　こんな風に保育に限らず何かを行うからには“誰が何のために”が重要になると思います。飲食業であればお客さんのお腹と心を満たしてあげる、医者であれば病気や怪我の治療や未然の予防など…。ところが時に理解に苦しむ行動に出くわすことがあります。またしても個人的なことになりますが、先日の日曜日、12年前に亡くなった父の法要を行った後、一番町の某老舗中華料理店で昼食会をするため近くの駐車場に車を停めたのですが、食事を終え駐車場に戻った時、目を疑うことが。それは、明らかに火がついたままだったであろうタバコの吸殻が車の屋根の上に置かれていたのです。既に消えていましたが、当然タバコの熱で…。誰が何のためにこのような行為に至ったのかは理解出来るわけもなく、その行為に唖然とし一時は腹がたったものの、それより屋根にこびりついた吸殻を取らなければならず指がタバコ臭くなったことの不快感、そして何よりそんなことをする人が気の毒でなりませんでした。そして、自分は決してこんなことをする事がないようにと心に誓わずにはいられませんでした。
　長くなりましたが、今日の所（園）長研修会で『命の授業』というテーマで素晴らしい講演を聞きました。そこで、皆さんに講演でお聞きした内容と同じ質問をいくつかいたします。①「いのちのはじまりはいつ？」②「いのちの終りはいつ？」③「いのちはどこにあるの？」興味のある方は考えてみてください。答えは数日後…。

2013年06月18日（火） No.1040 (園長日記)

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