Diary
保育観の基
保育に関わる方なら誰しも、自分なりの(何らかの)保育観を持っていると思います。もしかするとそれは、理想や憧れだったりするかも知れませんが、保育観を持っていなければ保育をしていても漠然とした毎日でしかなく、子ども達に夢も希望も与えてあげることができないと思います。また、勤めているところが、自分の思い描いた保育と違っていた場合、仕事(保育)そのものが楽しいと思えなくなってしまうことでしょう。では、どのようにして保育観が育つのでしょうか?自分の経験上、その多くは幼い頃の楽しかった経験(記憶)と、最初に保育に関わったときの職場やその指導者・先輩の影響が大きいことは間違いないと思います。僕の保育の出発点(勤務先)は自分の出身園でしたが、当時からの園長先生はインパクトのあった我が姉兄弟をしっかり覚えていて下さり、何も出来ない僕を採用して下さっただけでなく、先輩方も辛抱強く(我慢して)そして、優しく指導して下さいました。しかし、仙台市中心部の園児数減少に伴い閉園せざるを得なくなり、別の幼稚園で働くこととなりました。その幼稚園での保育経験や物事の考え方こそが、今の僕の保育観の殆どを占めることとなっているのです。大人の目でも広いと思う起伏に富んだ園庭と原風景の残った森、木の香りが溢れる保育室は、冬になると暖炉にくべられた薪がパチパチと音を立てて燃え、暖かさを与えてくれました。また、羊やヤギ、うさぎやリスなど様々な動物を飼育し普段の生活の中で生き物と自然と関わることができました。そんな幼稚園に年に一度、クリスマスの時期に行われる(ドイツのクリスマスマーケットのような)催しに足を運びます。そこで常に思うことは、毎年この日を楽しみにしている卒園児やその保護者がいる事の素晴らしさと、わざわざ遠くまで足を運ぶことなくして毎日でも森で遊べる羨ましい自然環境が残っていることです。そんな環境で培った保育観を保育園の先生達と共有し、子ども達に還元出来たらと思っています。いつになるかはわかりませんが、その一つとして、園舎東側の斜面に遊歩道や展望台を作りたいと思います。
2012年12月03日(月)
No.876
(園長日記)
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