Diary

本当に「万歳」「バンザイ」!?


「万歳」「バンザイ」とは、喜びや祝いを表す動作を表し「万歳」と言いながら両腕を上げます。そして今日、衆議院で、議長より解散詔書が読み上げられ解散が宣言されました。その瞬間、議員を失職した議員たちが「万歳!」と三唱する姿を見て違和感を覚えるた方も多いのではないでしょうか。それは、国民のみならず、今回の解散で次の選挙で厳しい戦いを求められる議員たちの中にも「万歳」どころではないと思っている方もいることでしょう。
 同じように、大東亜戦争末期においては「捕虜になることなく潔く死ぬ」という思想のあらわれとして、敵軍優勢の中、補給や増援を望めず撤退も不可能な状況の日本兵や特攻隊員たちが、「万歳」と雄叫びを上げて自決・突撃したと聞きます。サイパン島北部の「バンザイクリフ」は、追い詰められた日本兵や民間人が、アメリカ兵からの投降勧告、説得に応じず、80m下の海に身を投じて自決した悲劇の断崖(岬)として有名です。多くの自決者が「万歳」と叫び両腕を上げながら身を投じたことから、戦後「バンザイクリフ」と呼ばれるようになったそうで、自決者の数は1万人にのぼるとも言われて、海は血で真っ赤に染まり、死体の海と化したと言うのですから「バンザイ」という本来の喜びや祝いの意味からは程遠い感じがしてしまいます。日本本土で唯一の地上戦となった「沖縄」。この地でも多くの兵隊や民間人が亡くなったこと、そして現在も、那覇の町の上空を戦闘機が飛ぶ現実を見ることで地元の方々の辛さや苦労を再確認することとなりました。基地があることで仕事が出来ている方、一方では基地をなくして欲しいと願う人がいます。これは、原発がある地域の方々の心情と同じように思えました。原発があるから仕事が出来た人達、潤ってきた町、その一方で反原発という考えの方がいます。デフレ脱却、基地問題や原子力発電所の今後、拉致被害者事件、そして、東日本大震災からの復興等山積する問題・課題が進展することを新しい衆議院に期待をしたいと思います。
 さて、保育園の子ども達の生活に目を転じて見ると、「バンザイ」という言葉より「ヤッタ−」という言葉の方が自然に使われているような気がします。もし、使っていたとしても、それは、保育者が意図して使い、それに合わせて子どもが言っているということになるでしょう。また、普段子ども達だけではなかなか使わない言葉に「えいえいおー」という掛け声があります。大河ドラマや日本の戦国史などで、ご存知の方も多いかと思われるこの言葉は、戦国武将である、武田信玄や徳川家康が既に使っていたようで、「えいえい」は、仲間に呼びかける言葉で、「おー」は、その呼びかけに応える言葉で、「さあ、戦うぞ!」「おう!」の意味になります。僕は、衆議院解散後、「万歳」よりも「えいえいおー」の方がしっくりくるのですが…。
2012年11月16日(金) No.863 (園長日記)

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