Diary

寒くなる前に


「アリとキリギリス」は、イソップ寓話の中でもとても有名です。皆さん良くご存知のこのお話し、夏の間、アリたちは冬の食料を蓄えるために働き続け、キリギリスはバイオリンを弾き、歌を歌って過ごします。やがて冬が来て、キリギリスは食べ物を探しますが見つからず、最後にアリたちに乞い、食べ物を分けてもらおうとしますが、アリは「夏には歌っていたんだから、冬には踊ったらどう?」と食べ物を分けることを拒否し、結局何も食べられなかったキリギリスは死んでしまいます。気が付けば、保育園の園庭を忙しそうに歩き回っていた蟻たちも寒さが増して来た時には既にその姿は見られなくなり、また、あんなに賑やかだった秋の虫たちの合唱・合奏も聴かれなくなっていて、今朝保育園に向う東部体育館前の坂道には生涯を全うしたキリギリスが雨に打たれ濡れていました。自然の摂理と言ってしまえばそれまでですが、秋から冬にはキリギリスは死んでしまうのに対し、アリはしっかりと寒さを感じ(もちろんキリギリスもでしょうが)土の中に潜って春を迎えます、しかも、電気も無く、酸素だって十分でなさそうな地面の中で過ごしているのですからアリの生態は不思議でなりません。
 さて、この「アリとキリギリス」を読んだ時、僕は「備えあれば憂いなし」という諺を思い浮かべました。が、しかし、アリとキリギリスどちらが幸せな人生なのか考えた時、もしかすると、自分の好きなバイオリンを弾いて過ごしたキリギリスの方が良かったような気がしないでもありません。なぜなら、自分に与えられている人生を楽しく生きることも摂理なのではないかと…。皆さんならばどちらを選びますか!?
 ところで、今日は雨が降ったり止んだりするような不安定な天気でしたが、4歳児クラスの子ども達は、予定通りに柴田農林高等学校の畑にいも掘りに出掛けました。畑には先週水曜日に試し掘りをさせて下さったK先生の他に生徒さんが芋掘りの助っ人として待っていてくれて、その助けもあり大小様々なさつまいも100kgも収穫がすることが出来ました。畑から保育園に向う帰りのバスの中は嬉しさと興奮とが爆発し、A組の子ども達は次々と大好きな歌やこどもさんびかを歌い出し、H組は「○○君が一番大きいの掘った」とか「園長先生の分も掘ってきてあげたから」と大騒ぎでした。何はともあれ、びしょぬれにになることなく芋堀りをできたのは結果としては良かったということになるのですが、小雨の場合の外での行事の判断は本当に難しいものです。何を隠そう、今日のような不安定な天候でも芋掘りを強行したのには学校の予定や、僕の都合、芋掘りをするには時期的なリミット等があったからなのですが、とにかく、保育園と同じ大河原町内、しかも園の近くに素晴らしい経験をさせて下さる学校があること、そして沢山のお手伝いをして下さったK先生と生徒さん達に改めて感謝です。そして今後も地域の方々に支えて頂くと共に町内の素晴らしい財産を生かした保育をしていきたいと思います。
2012年11月06日(火) No.848 (園長日記)

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