Diary

Routine


多くの方がご存知の日本人メジャーリーガー、イチロー選手がバッターボックスに入るまでの一連の動作、ルーティンにはいったいどんな意味があるのでしょうか。毎日同じ時間帯に同じ場所で同じことをやり続けるのは、物事を習慣化させる秘訣です。習慣化された作業で体に強く刻み込んだ技能記憶は絶対に忘れることはありません。彼の打席に立ってピッチャーと向かい合うまでの一連の動作は有名ですが、彼はゲームのある朝からゲームが終わるまで全く同じ時間にまったく同じことをしているのだそうで、チームメートの誰よりも早く球場入りして試合の準備に取りかかり、試合後は自分でグラブを磨きながら一人その日のゲームを振り返るそうです。彼が完璧なまでに自分の日課をこなすのは、それが試合に向けた準備として最高のものだと信じているからだそうで、試行錯誤を繰り返しながら確立してきた動作は、心身をベストの状態にして最高のパフォーマンスを発揮するための準備であり、「朝起きてからバッターボックスに入るまでの準備に万全を期せば、本番は黙っていても結果がついてくる」という発想なのです。これは我々保育現場に於いても応用できます。たとえば大事な会議や行事がある時、データ集めや資料をまとめて事前の準備に万全を期すのは当然でしょう。ルーティンワークを繰りかえすのは楽しいことではありません。イチローも「バットを振る作業なんて全然おもしろくない」と実際に言っています。それでも心を込めてバットを振るのは、「ヒットを量産するためには黙々とバットを振り続けるしかないことを知っているから」です。そもそもプロの仕事におもしろいもおもしろくないもありません。報酬を支払ってくれる人を満足させるのがプロの仕事。イチローは報酬者であるファンのために最大最高のパフォーマンスを演じて感動を与えているのです。保育の仕事もこれとまったく同じです。保育園の保育方針やサービスを保護者の皆様に理解して頂けるにはどうするべきかを考えれば、仕事の意味を見出せるのでしょう。イチローのように日常も含め、すべてのことをおろそかにしない姿勢があれば、仕事のモチベーションは維持でき、結果もついてくるはずです。そのためには自分の保育(仕事)を常に見つめ続けなければならないのでしょう。ただ、上記の通り、一度習慣が身に付くと抜けないのも事実。そしてそれは保育で身に付いてしまった癖においても同様のこと。それって良いのか悪いのか(>_<)。イチローとは比較になりませんが、僕も毎朝同じ時間に家を出て同じ電車で出勤していますが、正直なことをいえば、朝はもう少しゆっくり遅い電車に乗って出勤出来ることが理想であり、そうなるとかなりルーティンが変わることは間違いありません。しかし、一度習慣となると…(^^;)難しいものです。
2012年08月24日(金) No.784 (園長日記)

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