Diary

なぜ、どうして?


日本の伝統的な食材の頭文字を合わせた合言葉が「まごわやさしい」です。その最初に出てくる「ま」は、良質なたんぱく質が豊富に含まれている豆類を表していて厚生労働省や農林水産省で推奨していました。多くの乳幼児施設でこの時期行われるであろう明日の節分・豆まきが近づくと、消費者庁はこの数年「大豆やピーナッツなど節分で使われるような豆は、幼い子どもの気道に入り、気道が詰まって窒息する危険があるため『5歳までは豆を食べさせないで』」と注意喚起をしています。もちろん、子どもの命を守ることは必須ですが、その一方で、子どもたちが保育の中で先生と一緒に楽しそうに鬼のお面や被り物を作り豆まきを楽しみにしている様子を見ていると、改めて食育を含め様々なことを経験させてあげることを求められるのが保育現場の仕事なのでは?と思わされ、疑問を感じてしまうのです。そのために、子ども・保育に関わる者は緊急時の対応をしっかりと身につけた上で子どもたちの様子も見守りながら豆に限らずよく噛んで食べること「咀嚼」の大切さを伝えることが大切だと思うのです。数年前、保育園の見学にいらした他県の先生方が畑で育てたミニトマトをもぎ取り水道で洗って食べる子どもたちの姿を見て「先生、トマトそのまま食べてもいいんですか?」と驚かれるので「はい!みんな喜んで食べてます」と返事をすると「そうですよね!これが本来の姿ですよね。でも◯◯県では、ミニトマトやぶどうは切って提供するように決まっているんです」と仰るので反対に驚き「でも、それでは食感も咀嚼の大切さも伝えられないですよね。そんな生活の中に教育がある僕は思っています」と話すと「先生、ぜひ◯◯に来て話してください」とお願いされたことがあります。魚は切られて売られていて形や大きさを知らない子どもたちが増えている、またレトルト食品や冷凍食品も美味しくなったことで料理の手間も減ったと聞きます。そこにコロナ禍が加わりこれまで経験できたことが制限される中で子どもたちが生活(育って)しています。無理に大豆やピーナッツを食べさせる必要はないと思いますが、子どもたちに伝えなければならない生きるために大切な芽や伝統や文化を大人が摘み取ることがないようにしなければならない。残念ですがそう思う僕が異端なのでしょう。
2023年02月02日(木) No.3476 (園長日記)

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