Diary


「園長先生、お家のカブトムシ死んじゃったから、保育園で探して欲しいんだけど」最近そんなことをお願いされます。しかし、バッタやコオロギ、カマキリやトンボが活躍する季節に代わってしまった今、どう頑張ってもカブトムシを見つけることは不可能なことです。それでも大切にお世話をして育てていたカブトムシが息絶えてしまうことはショックなことで、何とかしたいという思いは理解できます。そんな子どもたちには「寒くなってきたのでカブトムシは捕まえられないけど、これからトンボとかバッタがいっぱい出てくるからそれを捕まえよう!」と話し、納得してもらうようにしているのですが、捕まえられる虫たちの立場で考えると「たまったもんじゃない」ないということになります。うるさいほどに鳴いていたセミたちも夕方を知らせるかのように優しくカナカナと鳴くヒグラシがほとんどとなり、桜の木は少しづつ葉を落とし始めています。一方、植えてから数年経っても中々大きくならず心配していたカツラの木の樹勢が良くたくさんの葉を付けてくれています。この葉っぱ、秋が深まると綿あめのような甘い香りを漂わせ、子どもたちの遊びに幅や深まりを与えてくれることでしょう。
 さて、不思議なほどに子どもたちに人気があるゴザ。その多くがボロボロになりつつあり解れた紐が園庭のあちこちに落ちていて、それを結んで釣りごっこをする姿が見られるのです。そんなゴザでも子どもたちにとっては大切な遊び道具で、時には奪い合うほど・・・。そして、今日5歳児めぐみ組のYちゃんが「園長先生、敷いて遊ぶやつ(ゴザの意)誰も貸してくれない」と不満を訴えてきました。そこで、「わかった、じゃあ、物置に片付けてあるはずだから一緒に探しに行こう」と伝え、Sちゃんにも手伝ってもらい「遊ぼう会」などで使う普段使っているゴザの6枚分ほどの大きさのゴザを物置から運び出し、園庭に広げました。すると、別なことをしていた子どもたちまでが集まって来て、ゴザの上で走ったり踊ったり・・・。ちょっとしてこと(変化)で子どもたちの遊びは変わります。そのちょっとしてこと(スパイス)を準備してあげることが保育者に必要なことです。今週末はお天気が崩れそうですが、身体を動かすのが気持ちのいい季節を迎えます。先生たちも様々なスパイスを用意してくれていますので、どんな秋を過ごすことができるか楽しみです。
2022年08月24日(水) No.3368 (園長日記)

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