Diary

「沈黙 SILENCE」


蒸し暑い一日となりましたが、子どもたちはいつものように三輪車やペダルカー、ブランコ、虫探しなど思い思いに遊びに取り組み朝から汗だくになっていました。ところが、あることが行われると、散り散りばらばらだった子どもたちがサーカスの猛獣使いに従い一つ所に集まり沈黙の時間の中で過ごすかのような姿が見られるのです。今日のその一つが、5歳児めぐみ組のN先生が園庭で収穫したきゅうりを切って塩揉みにすると、車掌車の前の丸太に行儀よく並んで座り美味しそうに味わっていたこと。そして、もう一つは午後のおやつとして提供されることになっていたトウモロコシの皮むき作業に取り組んでいた時です。炎天下の園庭にゴザが敷かれ、その上にどっかと座った5歳児たちが皮やひげに手こずり、格闘しながらも上手に剥いてくれたお陰で、午後のおやつに甘くて美味しいトウモロコシが提供されました。そんな静かな姿とは正反対に3歳児てんし組のR君・R君・S君・Yちゃんは先日運ばれて来たケヤキが組まれた仮の遊具で「ちょっとどけて!」「あぶないから待ってて」などと話しながら楽しそうに遊んでいました。
 さて、今日は77年前広島に次いで長崎に世界で二度目の原子爆弾が投下され多くの人命が奪われました。カトリック信者が多い長崎で起きた悲しい出来事を忘れることがないように長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が行われましたが、数年前、OMEP(世界幼児教育・保育機構)の世界大会での発表のためチェコへ出かけた際、機内で日本の史実に基づき、江戸時代初期のキリシタン弾圧をめぐるポルトガル人司祭の葛藤を描いた遠藤周作原作の「沈黙」を基に作られた「沈黙 SILENCE」を見ました。ストーリーの素晴らしさはもとより、俳優たちの迫真の演技、ロケ地の一つとなった長崎の離島の美しさ、そして信仰の強さに衝撃と感動を覚えたことを思い出します。しばらく海外に出かけていませんが、長距離移動の場合、機内で見ることが映画が退屈しのぎになります。いつかまたそんな日が戻って来ることを楽しみにしたいものです。
2022年08月09日(火) No.3361 (園長日記)

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