Diary

不思議な一日


今朝、いつもの電車が定時で出発する前に100リットル程度の容量はあろうかと思われるbackpack(リュック)の他に結構な大きさのバッグを持った男性が乗り込んできました。大きなbackpackは床に、そしてカバンは網棚に載せたのですが、すぐにシートに座らず左手の何かを見ています。一体何をしているのだろうと思ったら、何と、その手には大きなミヤマクワガタが握られているではありませんか!そのクワガタをどうするのか見ていたら、首を傾げどうしようか悩んでいるような表情を見せたと思ったら。ご自分が座ったシートの後ろの窓際にそのクワガタを置き何もなかったかのように正面を見て座っています。その間、クワガタは、誰かを威嚇する時のようにご自慢の大きな顎を空に向けて広げています。手に握られていたミヤマクワガタ、二つの大きな荷物、スーツのような堅苦しい服装ではなくアウトドア派といった服装から生物の専門家、大学教授では?と勝手にイメージしたいたのですが、仙台駅の次の長町駅が間もなくとなった時、棚の上のカバンを降ろし、backpackを背負い直し、明らかに降りる準備を始めました。そして、長町駅に到着しドアが開くと、クワガタを窓のところに置いたまま振り向くことなく電車を降りて行き、入れ替わりで乗客が乗り込んできました。それでも、子どもたちに見せてあげたくて咄嗟にクワガタを捕まえていると、いつも同じ車両に乗って来る男性が驚きながらニヤッと笑うのです。そうです、僕が勝手にイメージしていた男性は生物の専門家でも大学教授でもなかったということ。しかし、どこで捕まえてきたのか見つけてきたのかわかりませんが、木も草もない仙台駅のホームで逃しても、大勢のお客さんに踏み潰されたり、電車に轢かれてしまったりすることを考えて電車に逃がすことにしたのでしょう。だとしても、中には虫嫌いな人もいるはず。もし、そんな方が空に向けて大きな顎を広げている姿を見たら悲鳴をあげたことでしょう。ちなみに捕まえたクワガタはカバンに入っていたビニール袋に入れて保育園に連れて行き、メダカや昆虫が大好きな「いきものがかり」のT先生に「はい!電車で捕まえてきたミヤマクワガタです。仲間に入れてあげて」とプレゼントしました。10数年電車で通っていますが蚊や蛾などが電車に乗り込んで来ることはあっても、ミヤマクワガタに遭遇したのは(するのは)最初で最後でしょう。それにしてもあの男性、どんなお仕事をなさっている方なのか、長町で降りた後どこへ行ったのか気になって仕方がありませんでした。
 さて、例年夏になると、バルコニーに日差しを遮るためにシートを吊るします。これまでであれば複数で作業に当たっていたのですが、今日は一人で行わなければなりませんでした。ところが、一人となると如何に効率・要領良くできるか考えるもので意外と早い時間で作業を終えることができ自己満足に浸ることができました。このシートのお陰で子どもたちが大好きな柱のぼりをして遊ぶ様子を見ることは少なくなりそうです。
そうそう、今日の夕方は仙台で打ち合わせ会議があったのですが、打ち合わせを行う事務所が入るビルの1階にしばらくお目にかかっていなかった、ダイヤル式のピンクの公衆電話が現役で使われていました。スマホや携帯を持っていることが普通で電話ボックスも見かけなくなっている時代にピンクの公衆電話。昭和がどんどん遠ざかり、若者世代はダイヤルすることすらできないと聞きますが、そこだけ昭和感が漂っていてなんだか嬉しくなりました。到底無理ですが、車掌車、丸型ポストの仲間としてピンクの公衆電話が園庭にあったらなんて考えて一人ワクワクしてしまいました。
2022年07月01日(金) No.3335 (園長日記)

No. PASS