Diary

そんなに?


子どもたちの楽しげな姿を見ていると五感をフルに使って遊んでいることが伝わってきます。数日前のことです、園庭の外に作ったトマト畑の手入れをしていた僕に、5歳児のぞみ組のN君が「ねえ、園長先生何してるの?」と話しかけてくれたので「トマトがいっぱい生るように手入れしてたんだよ」と答えると「ふ〜ん」という返事が返って来た後、今度は「じゃあ、なんか臭いんだけど何の匂い?」と尋ねて来ます。その匂いのもとは、時々とんとんの丘から漂ってくる、または、バキュームカーが汲み取りをした時のような強烈な匂いではないものの、言葉で表現(形容)することが難しいこの季節限定な「栗の花」の香りであることがすぐに分かりました。確かに良い匂いとは思えないけれど季節が感じられ個人的には臭いとは思わない匂いがN君にとっては臭いと感じたということでしょう。そこで「この匂いはあそこに見える栗の花の匂いなんだけどくさいかなあ?でも、花が咲くから秋に栗拾いができるんだよ。楽しみにしてて」と返事をすると「うん!わかった」と返事が返ってきましたが、栗の花の香りに気づくN君の敏感さが嬉しかったです。ところで、現代ではネズミが出るような環境はなくなってきたため、猫がネズミを捕まえるなんてことはないと思いますが、猫はネズミを捕まえると、褒めてもらうためなのか自慢したいのか、ご主人に見せに来ると聞いたことがあります。そんな猫のように、子どもたちは虫や花や石など自分の宝物と思うような物を見つけると「園長先生見て!」とか「ちょっときて」とやって来ます。今朝のことです。5歳児のぞみ組のHちゃんが「園長先生見て、ごつば見つけた」と特別なクローバーを見せに来てくれました。四つ葉でもそんない簡単に見つけることができず珍重されるのに、五つ葉(いつつば)を見つけたのですから、嬉しいことは間違いありません。しかし、これまでの子どもたちの様子を見ていると多くの場合、せっかく見つけても葉っぱが取れてしまったり、落としてしまいどこに行ったのかわからなくなりがっかりしたり、枯れたようにぐったりしてしまったりするので「せっかくだから、押し花にしてあげようか?」と押し花にして残すことを提案し、ティッシュに挟んで乾かしてあげることにしました。園庭のあちこちにクローバーがありますが、Hちゃんは🍀四葉のクローバー探しをしていて五つ葉を見つけたのか、偶然見つけたのか分かりませんが、子どもならではの観察力が発揮されていたことは間違いないでしょう。
 さて、今日は町内の乳幼児施設の所(園)長や主任、そして小学校の先生方との会議に参加して来ました。その際、ある学校の教頭先生が僕のところへやってきたと思ったら小さな声で「園長先生、よく日に焼けていますが、スポーツか何かなさっているんですか?」と話しかけて来ました。そこで、よく園庭にいること、最近は畑仕事に取り組んでいること、そして、薪づくりなどをすることをお話しすると「えっ!?そうなんですか?ということは薪ストーブか暖炉があるんですか?私の家にも薪ストーブがあるので、薪作りをするんです。園長先生とこのまま1時間薪ストーブの話ができます」とおっしゃるのです。そして「綺麗に焼けているので、サーフィンでもなさっているのかと思って・・・」と話が続くので「むか〜し、そんなこともしてましたし、ロードバイク(自転車)にも・・・」とお返事をしたのですが、僕は先生も日に焼けていると思っていたので「先生も焼けてますが?」とお尋ねすると「私も畑をしているので」とニコニコ!マスクをしているため、見えるのはおでこと目の周り、そして腕ぐらいだったのですが、どうやら周りの先生方とは明らかに肌の色が違っていたこと、そして、園長らしからぬ服装が気になったのかと思いますが、わずかな時間の会話の中で、保育と教育についてもお話しすることができました。そこで感じたことは、この教頭先生の教育観が僕等の保育観ととても近いということです。自分では、そんなに日焼けしていると思っていないのですが、どうやら一般の方々とは違うということ、そして、同じような教頭先生がいらっしゃることが分かったことが何だかとても嬉しい週末の午後となりました。いつか、保育園にいらしていただき、教育・保育について、そして薪ストーブ談義ができることを願うものです。
2022年06月24日(金) No.3330 (園長日記)

No. PASS