Diary

カモフラージュ


「ねえ、園長先生何かいるよ」5歳児めぐみ組のM君が園庭中央の家を指差しながらそう言うので見てみると、T先生がいつも着ている服のような色合いの蛾がとまっています。葉が茂る木にとまっていればカモフラージュになって目立つことはなかったのでしょうが、角材で作られた家で羽化したのか、いとも簡単に見つけられてしまいました。しかし、Ⅿ君はあまり虫が得意ではないようで、虫好きの子どもたちがするように棒で突いてみることも捕まえようとすることもなく離れて様子を見ています。そこで、僕が近くに落ちていた木を拾い、蛾が葉と同化できそうなところへ逃がしてあげました。おそらく、その後は子どもたちに発見されて捕まえられることなかったと思いますが、自然の作り出す色合いや不思議さを感じさせられました。
 そうかと思えば、めぐみ組のN先生が「園長先生、あそこの巣箱からヘビが顔を出したので入っていると思います」と言うのです。そこで、教えてもらった巣箱まで行き、巣箱を叩いてみたり、底に開けてある穴から棒で突いてみると、入口の丸い窓から、舌をペロペロ出すへびの顔が見えました。ただ、朝の打ち合わせの時間と重なってしまうので、子どもたちに「ヘビが出てこないか見ててね」と見張りをお願いして職員室へ戻り、打ち合わせ後に巣箱の中を確かめるために脚立を準備して子どもたちが待っていてくれているところへ戻り、脚立を立ててそ〜っと蓋を開けて覗いて見ると、急に明るくなって驚いたのか、まだ小さなアオダイショウが怪訝そうに見上げていました。昨年のように今年もシジュウカラが子育てのために巣箱のチェックをしに来る頃かと思っていたのに、ヘビが先客になっていようとは・・・。鳥たち同様、雨風を凌いで子育てができる巣箱、そして、餌となるカエルが沢山いる園庭はヘビにとっても最高の環境だということでしょう。とは言え、子どもたちや園長に素敵な住まいを叩かれ危険を感じたヘビ、安住できるところへ引っ越してしまうかも知れません。
2022年04月26日(火) No.3289 (園長日記)

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