Diary

待ってました


今朝いつものように職員室で朝の礼拝・打ち合わせをしていると、田植えや稲刈りでお世話になっている田んぼの先生、Hさんがお見えになりました。その手には先日稲刈りをさせてもらった5歳児へのプレゼントの今年の新米が抱えられています。そこで、既に園庭で楽しそうに遊んでいたのぞみ組・めぐみ組の子どもたちを職員室前のバルコニーのところへ来てもらいました。急に呼び集められた担任のM先生も子どもたちも一体何があったの?という表情でしたが、Hさんが「今年もお米ができました。みんなにプレゼントするから美味しく食べてください」「では誰か代表の人、受け取ってください」という思わぬプレゼントに大喜びし、みんなが一斉に手を伸ばすのです。ひとまず、最前列にいた子どもたちに受け取ってもらい「じゃあ、順番に持ってみたら?」と声をかけると、「うわ〜!結構重い」と言いながらもお米の袋をラグビーボールをパスするように順番に手渡しながら歩いていました。今日頂いたお米は、収穫感謝礼拝を守る頃にHさんたちをお招きし、お泊まり保育の経験を生かし園庭でかまどで羽釜を使ってご飯を炊いて食べることになりますが、Hさんたちはきっと子どもたち以上に「待ってました」と言わんばかりにお見えになってくれることでしょう。
さて、5年前に園庭の改修工事(木製遊具作り)をした時に、子どもたちに甘い葉っぱの匂いを嗅いで欲しいとの思いから、桂の木を一本植えました。ところが枯れることはないものの、いい具合に育ってきたと思っていたら子どもたちに枝を折られてしまうなどのハプニングが続き、そこらじゅうがわたあめのような甘い香りに包まれるという僕が思い描いていたようなことはありませんでした。ところが今年は僕の理想には程遠いもののいい具合に葉っぱが落ち始めていたので、数枚拾い集め4歳児あい組の子どもたちに「ねえ、ねえ、この葉っぱいい匂いするんだけど嗅いでみて」と言いながら僕が葉っぱの匂いを嗅いでみせました。すると、それまで半信半疑だった子どもたちが「えっ?」と言いながらもマスクを外して鼻をクンクン。すると、単なる落ち葉から、砂糖がいい具合に焦げたような甘い香りがするのでびっくりし「えっ?どうして?どこにあったの」と興味を示して自分たちで落ち葉を拾い集め匂いを嗅ぎ始めました。中でもRちゃんは、かなりお気に召したようで、嬉しそうに両手いっぱいに落ち葉を拾い集め何度も匂いを嗅いでいました。僕はRちゃんをはじめ、子どもたちがこのように喜んでくれることをずっと楽しみに待っていたので嬉しくてなりませんでした。週末は台風の影響がありそうですが残っている葉っぱたちが吹き飛ばされることなく、子どもたちにたくさんの笑顔を与えてくれることを楽しみにしたいと思います。
長くなりましたが、今日の出来事をもう一つだけ紹介します。そろそろ0・1歳児が給食の準備を始めようとする頃、職員室の電話の画面が黄緑色に光ると同時に、どこかのクラスからの内線呼び出し音が響いたので液晶画面の番号を見ながら受話器を取り「は〜い職員室です」と応えると「ひかり組ですが、Oさんいますか?」というので「ごめん、今外出してるんだけど、どうかした?」と聞くと「ミルクを飲ませて欲しかったんですが、でも大丈夫です」とのこと。しかし程なくして、先程と同じ番号からの内戦呼び出しが響きました。そこで「は〜い!職員室で〜す。」と受話器を取ると「園長先生、ミルク飲ませて欲しいんでちょっといいですか?」との依頼を受けたので子機とメモを持ってひかり組に急ぎ、ソファーに腰掛け、柔らかいけれどずっしり重いK君を抱っこし、A先生からミルク(哺乳瓶)を受け取ってミルクを飲ませてあげることにしました。ところが普段やってくることがないおじさんがやってきたかと思ったら急に抱っこされた上、ミルクを飲ませられそうになるのですから、K君にとってそれは苦痛以外なにものもでもなく、泣き出してしまいました。結局は待ってましたとばかりにA先生の腕の中へ戻ってミルクを飲ませてもらうことになってしまいました。K君だけでなく顔中シチューでパックしていたり、床にたくさんの食べこぼしている子どもたちに関わらなければならない先生たちの力に全くなれなかった自分が役立たずでしかなく情けなくなってしまいました。そして改めて保育者の大変さを痛感させられた次第です。このことからも園長はいなくても保育はできるということは明らかです。
2021年09月29日(水) No.3149 (園長日記)

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