Diary

しっかりと50年・100年先を見て


国土の3分の2を森林に覆われているという日本。今、その日本の山で異変が起きているというのです。コロナ禍の影響でアメリカなどでは郊外に住宅を建てるなど、木材需要が高まったことで輸入材が不足し、国産材の価格が高騰するウッドショックが起こっています。そして、山の所有者に無断で木を伐採する“盗伐”が各地で起きているそうです。それだけではありません、伐採されたままのはげ山が放置され、ダムの役割も果たしていた木がなくなったことで土砂災害を引き起こす一つの要因となっているというのです。オリンピック・パラリンピックの舞台となった国立競技場でも国産の杉などがふんだんに利用されたようですが、木材として利用できるようになるには50年・100年という長い歳月が必要です。今回使われた木も、林業を生業にしていた先人が戦後に植林した杉やひのきが成熟した木材が使われたということになるのでしょう。これから暖炉(薪ストーブ)が使われるようになると、保育園に隣接する山から焚き付けに使う杉っ葉を拾い集めさせてもらっていますが、山を所有する方が入っている気配もなく山も荒廃しているように感じます。子どもたちが生まれるずっと前からここに立ち続けている木々たちがこれからどのように育ち、どのように使われていくのか、僕が生きているうちには見ることが出来ないと思いますが、そんな木々同様、子どもたちの50年・100年先の姿は見ることが出来ませんが、だからこそ、50年・100年先の姿をしっかりとイメージして子どもたちと過ごさなければならないことを思わされます。今日は10時頃まで小雨が降っていたこともあり、子どもたちは雨が上がるまでホールや保育室で過ごしていましたが、3歳児ひつじ組のY君、Y君、A君たちはいつも自分たちがしてもらっているように先生になりきって楽しそうに保育園ごっこ(絵本を読んであげる)をして遊んでいました。そんな楽しそうな姿や笑顔で給食を食べる姿、必死にオレンジを食べる様子を見ている限りでは50年・100年先も安泰でしょう。
2021年09月16日(木) No.3141 (園長日記)

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