Diary

しらんがな!?


いつも賑やかな園庭から、いつも以上に賑やかな子どもたちの歓声とはしゃいだ姿が見られました。その原因は、「親子で遊ぼう会」に向けて作った染紙の旗(万国旗)が園庭の子どもたちの頭上に張り巡らされ、遊ぼう会当日のような賑やかな雰囲気に大喜びしていたのです。早速その旗の下で4歳児あい組・はと組は綱引きをして大いに盛り上がっていました。この旗、当日を前に張り巡らすことで、旗(紙)が乾燥することや紐の長さやバランスを確認するという目的があるのですが、子どもたちには遊ぼう会が近付いているということが意識づけられ、一気にモチベーションが高まるということは言うまでもないようです。
 一方、5歳児は天気に恵まれ、予定通り「稲刈り」ができるとあって、朝から興奮気味!田んぼではHさんを含めたやる気満々の5人の田んぼの先生が子どもたちがやって来るのを待っていてくれました。ところが、いつもなら田んぼの先生よりも早く待ち構えていてくれている顔馴染みのテレビ局のカメラマンも新聞記者もお見えになっていません。するとHさんが「あれ、おかしいな?いつもなら俺たちより早く来てるTV局の人、今日は来てないけど・・・?!」とつぶやくのです。毎年、田植えと稲刈りの様子がニュースで取り上げられることをHさんも楽しみにしていて、たくさんのお友だちに「今日TVに出るから」と予告していたらしく、不思議がるというより残念そのもの・・・。そんなこともあり稲刈りが始まっても時折「おかしいなあ?」「日にち忘れたのかなあ?」とつぶやき、園の行事の際、来ていただいているカメラマンのMさんがドローンを飛ばして撮影を始めると田んぼの上空に現れたドローンを見て「なんだ!N〇K、ドローンで撮影しにきてくれたんだ」と喜ぶ姿が・・・。Hさんがこんな勘違いをするくらい取材を楽しみにして下さっていたのかと思うと複雑な思いでした。ちなみに稲刈りを終え職員室に戻ると事務のOさんが「ついさっき、N〇Kの方から、『稲刈り』いつですか?」と問い合わせの電話があったと言うではありませんか(@_@;)!先日、日程確認のお電話を戴いていたと聞いていたので、お分かりいただいていると思っていたので確認の連絡しなかったのが原因だったようで、残念であり申し訳なく思ってしまいました。TV局としてもコロナ禍にあっても、春の田植えも秋の稲刈りもしているという明るいニュースを伝えることを考えてくださっていたのかも知れません。そう考えると、朝、しっかりとお電話を入れるべきだったと反省させられました。そんなこんなのハプニングはありましたが、誰も怪我することなく園に戻り給食を食べ、お昼寝を終えた頃、子どもたちが刈ったところ以外の稲をコンバインで刈り取るというので見に行ったのですが、鎌で手や足を切ることがないように気を付けて刈ったのとは違い、あっという間に刈り取られていく様子に驚いていました。そうかと思えば、コンバインより、用水路にいたザリガニに夢中になるメンズたちも・・・。それもいい思い出になったことでしょう。全てを刈り終えるまで見ていると午後のおやつを食べる時間がどんどん遅くなるので作業の途中で切り上げて園に戻ることにしたのですが、その際、土手に「ひがんばな(彼岸花)」が咲いていたので一緒に歩いていた近くの子どもたちに「あの花なんていうか知ってる?」と聞いてみるとめぐみ組のS君が自慢げに「しらんがな」と答えてくれました。「しらんがな!?」と思ったのですが直ぐに分かりました。「しらんがな、シランガナ、知らんがな、ひがんばな」そうです、彼は「ひがんばな」の響きを「しらんがな」と覚えていたのです。求めていた答え・名前とは違っていたのに、は行い段の「ひ」、さ行い段の「し」など全ての段が一致していて「知らんがな」は「知らん」どことか、よく「知っている」ということ、そして「しらんがな」が何だか素敵な名前、正解に思えてしまいました。そうそう。2歳児ほし組の子どもたちは保育室が田んぼに一番近いこともあり、お昼寝後、聞こえてくるコンバインの作業音が気になり、何が行われているか見たくてバルコニーに出てきたものの見えません。そんな中からT君を抱っこして作業が見えるフェンスのところまで行くとコンバインの動きだけでなく、作業をサポートしている方の動き様子までしっかり見ていました。いずれにしても、人生の大先輩で物知りの田んぼの先生たち、特に病により声帯を切除して話すことが出来なくなったKさんとの関わりは多様性を求められる今、とても大切な時間になったことでしょう。本当にありがとうございました。
2021年09月14日(火) No.3139 (園長日記)

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