Diary

幸い


1945年8月6日月曜日、8時14分の広島は朝食や朝の団欒、掃除や洗濯をするなどいつもと変わる事なく過ごしていましたが、1分後の8時15分、世界で初めて投下された原子爆弾により目もくらむ稲妻のような閃光が走り、爆音がとどろき強烈な熱風・熱線と放射線によって数万人が死亡し、広島の街は一瞬にして焼き尽くされました。一方、76年後の今日、2021年8月6日金曜日8時15分、保育園の子どもたちは76年前の広島で起こったことなど知る由もなくいつもと変わることなく園庭の畑で野菜の収穫やペダルカーや三輪車、ブランコなど思い思いの事をして楽しそうに遊んでいました。空襲を恐れることなく、とれたてのトマトを美味しそうに頬張るなど食べるものに事欠くことなく、幸せそうに過ごす様子を見ていると未だになくならない戦争の愚かさや恐ろしさ平和の大切さと難しさを改めて感じさせられます。聖書(マタイによる福音書5章9節)には「平和を実現する人々は、幸いである」と記されています。聖書が告げる平和は、何か難しいことを「実現する」のではなく、日々のささやかな歩み、その中での一つ一つを通して実現することであり、相手を信じ、相手との関わりを築く呼びかけから始まるということのようです。そんな意味から考えると、子どもたちこそが日々「幸い」を作りだす日々を過ごしているということでしょう。
さて、今日もとても暑い一日となり蝉の鳴き声がうるさいくらいでしたが、自然界の時計は正確なようで園庭に現れる生き物がカエルやセミからバッタへとバトンが繋がれ、田んぼの稲も穂を垂らし始め、季節が夏から秋へと移り変わっていることを感じます。春、桜の花に囲まれ、夏、畑の野菜に舌鼓を打ち、秋、稲刈りや芋掘りを楽しみ、冬、雪遊びを楽しむことができる幸い・平和に感謝しながら過ごして行きたいと思います。そうそう、今日の午後も暑さを鑑み、子どもたちは園舎内で過ごしため車掌車のペンキ(錆止め)の続きを行いほぼ塗り終えることができました。暑すぎる天気・気温もペンキが乾くには幸いなことでしたが、塗り終えた雑な跡を見るとやはり「餅は餅屋」そう思わされました。
2021年08月06日(金) No.3111 (園長日記)

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