Diary

実体験の大切さ


インターネットの普及によって固定電話やFAXの需要が減る一方、パソコンが特別なものではなく、スマートフォン(携帯電話)は一人一台(複数台)は当たり前の時代になり、小学校などでも生徒一人ひとりにタブレット端末が配布され、簡単に情報を手に入れられるようになりました。そこにコロナ禍(下)によってオンラインでの会議や研修が求められるように、さらにインターネットが必要不可欠な存在となりました。そんな中にあっても保育園では仮想現実(バーチャルリアリティ)の世界で生活することより、遊びと実体験の中での学びこそが大切と考え、園庭には季節ごとに咲く花や実のなる木、子どもたちが自由に登れる木や創意工夫して遊べる環境を整えるとともに、様々な行事を計画しています。今日はその一つである「ひつじの毛刈り」だったこともあり、今朝はいつも元気で賑やかな子どもたちが、いつもに増して興奮して落ち着かず、軽トラックに乗せられてやってくるひつじが待ち切れない様子でした。そして予定通りやってきてくれた軽トラックが園庭に止まるや否やひつじ見たさに軽トラを取り囲み「かわいい」「くさ〜い」と大騒ぎ!中には楽しみに待っていたものの、思っていた以上に大きかったからか近付けず表情が硬ってしまう子どもや、軽トラから数十メートル離れているところで先生に抱っこされて泣いている子どもがいるかと思えば全く怖がることなくグングン近づいて撫でたり触ったりする3歳児、フワフワする背中に頬ずりしたりする強者の5歳児たちがいるのです。このようにしばしひつじと交流をしてもらい、いよいよ、5歳児のぞみ組・めぐみ組の子どもたちがバリカンに手を添え毛刈り体験をし、その様子を羨ましそうに見つめる5歳児以外の子どもたちの姿も保育園の風物詩となりました。しかし、めぐみ組のH君は毛刈りを頑なに拒否し、笑うことなくタイヤの上に座って近づこうともしませんでした。反対に刈り取った脂が残っている羊毛を触り「ベタベタする」「フワフワだ」と大喜びする子どもたちと対照的な姿も見られました。今日来てくれた「ティミちゃん」という名前のお母さんひつじから刈り取った毛の重さは2.5kg。この毛を洗って教材として使われることになります。ちなみに、ひつじ独特な匂いや豆のようなフンを見た子どもたちが、町内にある「“とんとんの丘”の匂いだ」と言っていましたが、これこそが実体験による学びということでしょう。5歳児は先日の「田植え」今日の「毛刈り」来月は「味噌づくり」と行事が続きますが、良い経験、学び、記憶に繋がってくれることを願うものです。
2021年05月11日(火) No.3050 (園長日記)

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