Diary

不思議


最近、仙台駅東口の信号のない、ある交差点を見渡せるところに白バイが止まり、横断歩道をわたる人とそこを行き交う車やオートバイの様子を見ています。ご存知の方も多いかと思いますが、数日前のニュースで、信号機のない横断歩道で、歩行者がいる場合に自動車側が一時停止した割合をまとめた全国調査で、宮城県が今年、都道府県別で最下位となったことが伝えられました。きっとこの調査結果を受けて、一時停止をしない割合が多いと思われるこの交差点で取り締まりや注意喚起をしていることがわかりました。ところが、今日も学生二人がわたっているにも関わらず泊まる様子もなく通過したタクシーがありました。そのため、学生たちは驚きながらも呆れた様子で横断歩道の真ん中で立ち止まり顔を見合わせ笑い始めました。その様子を見ていた白バイ隊員、学生二人とすれ違うように横断し始めた僕に「どうぞわたってください」とマイクでアナウンスしてくれたかと思ったら、数十メートル先の赤信号で止まっていた先程のタクシーのところに凄い勢いで走っていきました。その様子に学生たちは大喜び!僕もその素早さと白バイの残響音に思わず「かっこいい」と思わされました。その後、違反切符が切られたのか、注意喚起で済んだかどうかはわかりませんが、県内はもとより、県外、場合によっては海外のお客さんを乗せる事もある、2種免許を持っているプロドライバー。宮城県のイメージダウンになるような運転は控えて欲しいものです。そして、これは仙台市内に限らず、毎朝大河原駅から保育園まで歩く途中にある交差点でも車を見送ってから横断しなければならないという同様のことがあります。本当に稀ではありますが、子どもたちの散歩に同行することがあった時にも横断歩道を渡るのがとても大変に感じることがありました。たまに一緒する僕が感じるのですから先生たちの苦労はいかがなものかと思わされます。一方、3年前、クロアチアの小さな町(オパティア)で開催された「世界幼児教育・ 保育機構」の世界大会に出かけ、東日本大震災における津波や原発事故によって子どもたちにどの様な影響があったか発表しに出かけた時、スポーツカーと言われるような素敵な車であろうと、ヤンチャ盛りと思われる若者が乗っている車であろうと、横断歩道に歩行者が立っていると渡らなくとも必ず止まる、ましてや、横断歩道ではないところで渡りたそうにしている人を見ると止まる、あるいは最低でも徐行するという歩行者優先が徹底されていることに感激したことを思い出します。もしかすると、宮城県のマナーが悪いためそう感じたのかもしれませんが、何とも不思議な感じです。反対に路上駐車が許されていることが多いヨーロッパでは、前後の車ギリギリに駐車してあり、ぶつけることなくどうやって車を出すのか不思議に思うことがあります。バンパーの名の通りバンパーを前後の車にぶつけ脱出するのでしょうか?だとしたらビックリです。
 さて、話は一転しますが、今日、東日本大震災から9年8ヶ月を迎えました。そんな日に、宮城県知事が女川原発の再稼働の前提となる「地元同意」を発表しました。人口減と高齢化で将来に不安を抱える地方自治体にとっては一縷の望みなのかもしれませんが、もし福島第一原発のような事故が起きた場合、取り返しがつかないことが起きることがあること、そして、未だに生まれ育ったところに帰ることができない方々が大勢おられること、保育園でも今なお、月一回、放射能の空間線量率を報告すること、町内の保育所持ち回りで給食で使われる食材の検査をしている事実に目を向けて欲しいものです。
2020年11月11日(水) No.2926 (園長日記)

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