Diary

どんな味?


多くの乳幼児施設では、「誕生会」というと、その月に生まれた子どもたちが一堂に会し、一斉にお祝いするというのが通常かと思います。しかし、僕が以前勤めていた幼稚園のように、子どもたち一人ひとりの誕生日に合わせお祝いすることが本来の誕生会のあるべき姿(形)ではないかと話し合い、現在のように保護者の方にもいらしていただき、一つ大きくなったことのお祝いと、父親・母親になったことの喜びを再確認してもらえる「誕生会」に変えてから10年以上経ちました。しかし、コロナウイルス感染症の影響もあり、今年度は残念ながら5歳児クラスだけに限定させていただき、これまで通りの誕生会を行っています。そして、今日は5歳児のぞみ組のKちゃんのお誕生日にお父さん・お母さんが来てくださり、ドッジボールに入ってくれたり、クラスで誕生日をお祝いしてもらったり、給食を食べたりして一日過ごしてくださいました。僕はいつものようにランチルームで給食を食べる時、みんなに手伝ってもらい ♪ Happy birthdayを歌ってあげたのですが、お母さんは今年も歌い始まる前から、感極まり涙を流しているのです。小学校に就学すると学校行事としては行われないこともあり、園の子どもたちが声を合わせ ♪ Happy birthdayを歌ってくれる保育園で最後の誕生会は母になった時の感動や喜びを思い出すひと時になってくれたことでしょう。そして、何を隠そう今日はお父さんもぐっと涙を堪えていたことが僕にははっきりわかりました。そんなこともあり、薄味に作られている給食がお父さんもお母さんも涙で塩辛くなったか、感極まって味を感じることもできなかったかもしれません。
 さて、5歳児のぞみ組のK君が登園の際、毎日拾い集めてくれていた栗も遂に収穫時期を終えようとしています。そんな中、3歳児てんし組の子どもたちが担任のN先生と栗拾いしたのですが、前述の通り、連日落ちていた実が落ちなくなり、拾うというより探すという表現の方がぴったり・・・。そこで、N先生には「枝を揺らしてみるといいよ」とは言っていたのですが、収穫量が気になって「どう?いっぱい拾えた?」と聞いてみたところ、意外と拾ったようですが、せっかくなので、僕も木に登り、枝を揺らしてあげたところ、少しだけ落ちた実を子どもたちが競い合うように拾い集めカゴに入れていました。そこまで必死になって拾う姿をみると一つでも多く見つけてあげたく、子どもたちが乗り越えられないフェンスを乗り越え、草の陰に落ちていた実を拾い集めてあげました。中には虫に食べられているような実も多くあるかと思いますが、今年最後の栗をじっくり味わえることを祈っています。
2020年10月06日(火) No.2899 (園長日記)

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