Diary

伝えきれない


近年、めまぐるしい勢いでAI(人工知能)が発達し、ICTやIoTといった情報化社会になり、企業だけでなく発達乳幼児施設でも様々な形で情報を発信することが当たり前になっています。光の子児童福祉会でも2019年7月に法人3施設一緒のHPを作って以来、限られた枚数ですが、子どもたちの様子や園の情報を写真でお伝えできるようになりました。いずれは動画でも情報提供したいと思うことはあります。しかし、いくらAIやICT技術が発達し写真や動画で情報を発信しても、今の技術ではまだどうしても伝えきれないことがあります。それは、毎日厨房から薫ってくる給食の香り、今週に入ってから急にどこからともなく漂ってくるようになった「キンモクセイ」の香り、また、あまり喜ばしくないけれど時々匂ってくる汲み取りのニオイや町全体が臭くなってしまう養豚場からのニオイ、秋が深まると園庭で行われる焼き芋をした時の煙のニオイetc。そして、汗をかきながら遊ぶ子どもたちの体から発せられる熱や日の当たるところと日陰との温度差など、「匂いと温度」です。今後そんな匂いと温度も伝えられるような時代がやって来るのかもしれませんが、自分の身体(五感)を使い感じとる実体験に勝るものはないように、HPでは伝えきれないことが沢山あるということです。それでも、HPをご覧になってくださる方のために出来る限り分かりやすく保育園の様子を伝えていきたいと思います。ちなみに、今日は晴れ間があったものの気温が思ったほど上がらなかったためいつもなら半袖で過ごす子どもたちも先生たちも長袖姿が多かったように感じました。また、5歳児めぐみ組の女の子たちが「ねえ、園長先生ぶどう取って」というので数粒だけ残っていた砂場のところに植えてある巨峰の実を取ってあげました。その際、「きっと酸っぱいと思うけど・・・!?」と言ったのですが「絶対甘いと思う」というので「ちゃんと洗って食べてね。皮とタネはゴミ箱に捨ててよ」願い通り一粒ずつ取ってあげました。すると嬉しそうに洗い、皮をむき食べたのですが、その時の複雑な表情から案の定、酸っぱかったことがわかった(伝わって来た)のですが、自分たちが「欲しい」と言った手前、さすがに「酸っぱい」とは言えなかったらしく、「意外と甘い」という表情は間違いなく無理していることが分かりました。そんなちょっとした表情やニュアンスもHPでは伝えきれないことです。1日も早くコロナ禍が収束し、以前のようにお誕生会や保育参観などが再開できることを願うものです。
2020年10月05日(月) No.2898 (園長日記)

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