Diary

令和になっても


物が豊かになり、食べるものに困らなくなった現代、庭に季節の果物が実っても収穫して食べることもなくなり、秋、柿の実がたわわに実っていても鳥たちの餌になっている様子がよく見られます。ところが、保育園の子どもたちはいちごやザクロが実を付ければ熟す前に食べて、美味しくないことに気付いて直ぐに吐き出してしまう、また甘そうに見える渋柿を取って食べて大慌てするなんてことが当たり前のようにあります。そして、今年は、これまで花が咲いてもほとんど実を付けることがなかったビワの木にたくさんの実が実り、美味しそうに色付き始めました。色付くまでは葉の色と同化し目立たなかったものの、オレンジ色になった途端、4・5歳児の男の子たちが「さるかにがっせん」のさるのように器用に木に登り、手が届く実をもぎ取り美味しそうに食べています。今日の夕方も4歳児はと組のR君とT君が木に登り美味しそうな実をとり食べていました。その様子をまだ木登りが出来ない2歳児のY君やT君がその様子をカニのように木の下で羨ましそうに見上げているのです。そこに、取り損ねた実が落ちてこようものなら、待ってましたとばかりに嬉しそうに拾い、食べようとするのですが、落ちた拍子に傷がついてしまったり、枝になっている時に既に傷がついていたりするので食べられずがっかりする様子が見られました。そんな子どもたちのために脚立を使わずに取れる実を取って分けてあげると嬉しそうに“にこ〜っ”と笑い急いで水道まで走り洗って美味しそうに食べていました。この子どもたちも数年すると上手に木に登れるようになり、自分の手でもぎ取った実を食べられるようになることでしょう。そのために今「僕も食べたいなあ!」とか「どうやったら木に登れるようになるのかあなあ?」そんなことを思いながら5歳児の子どもたちの様子を憧れながら見てるのかもしれません。時代が令和になっても子どもたちにとって楽しいこと、失ってはいけないこと、それは「自分の身体や頭を使い、自分のやりたことを夢中でやること!」であることを再確認することができました。
2020年06月24日(水) No.2831 (園長日記)

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