Diary

芸術作品


ドイツ語で100を意味するフンデルト[Hundert]と水を意味するヴァッサー[wasser]の名を持つ、オーストリア出身の芸術家、画家、建築家、Hundertwasser(フンデルトヴァッサー)。この人の個性的な作品に憧れ、処分される予定だった土管をいただき、色鮮やかなタイルを張り付けたり色を塗ったりして、彼の作品のようなものを作ろう思い描きながら何もできぬ(しない)まま、花を植えるようになり、気づけば8年もの時間が過ぎてしまいました。それでも、経年によって現代の土管とは違ういい味わいを醸し出し、園庭の一部分となってくれています。その土管の前に3歳児てんし組のN先生と子どもたちが集まり、何かをしています。いったい何をしているのかと思ったら、パンジーが植えられたその土管の縁の部分を長さ7〜8cmはあろう毛虫が歩いているのを見つけ大騒ぎ・大喜びしていました。しかし、砂や土管の色に擬態していて一見しただけでは気づきそうにないのです。きっと子どもたちの目線の高さと毛虫が動いている高さがぴったりだったからこそ、見つかられたのだと思いますが、毛虫を見つけた子どもたちに担任のN先生はもとより、5歳児めぐみ組のM先生も悲鳴を上げそうになりながら「よく見つけたね〜!」とお褒めの声をかけていました。前述のHundertwasserの作品にはあまり見られない地味な色の毛虫でしたが、その形はHundertwasserとは言えど、人間には造り出すことができない見事な芸術作品そのものだと思いました。子どもたちが給食を食べるため片づけをして保育室へ戻った後、毛虫がどうなったか見に行ったものの既に姿はありませんでした。今度は葉っぱに擬態していて見つけられなかったのかも知れませんが、あの毛虫が今後どんな色・姿になるのか見届けて見たかったそんな気がします。明日も気を付けて見てみようと思います。
2020年04月22日(水) No.2788 (園長日記)

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