Diary

できることなら・・・。


例年であれば新年度は入園式から始まりますが、今年の入園式は明後日3日に行うため、今日は進級児だけが登園して2020年度の保育が始まりました。進級児ということもあり、誰一人なくこともなく、それどころか喜んで登園してくれました。全てのクラスが保育室も玄関の靴置き場も変わったため、どこに名前が貼られているかお家の方と確認してから保育室へ向かいましたが、新4歳児はクラス替えの結果(クラス発表)を確かめ、誰と同じになったかなど話し合いながら階段を上っていきました。保育室が一階から二階へと大きく変化した新3歳児は嬉しさが表情から溢れ出ていましたが、二階の保育室にしかないden(巣穴の意)という隠れ家のようなスペースから外にいる僕に気づいて欲しくて窓を叩きながら「園長先生」と大声で呼びかけてくれました。そんな子どもたちの様子を見に行ってみると、これまでの保育室とは違うおもちゃに大喜びして遊んでいました。どのクラスも保育室の荷物置き場の確認などをしたこともあり、いつもより随分遅くに外へ出てきましたが、新年度を迎える前に届けて欲しいとお願いしていた砂が昨日の夕方届き、空っぽだった砂場に山盛りになりました。今日はその砂場に多くの子どもたちが群がり、1歳児のHちゃん、Nちゃんまでが砂まみれになりながら遊んでいました。その姿を見て30年ほど前、アメリカの哲学者、ロバートフルガムが著した「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」という本を思い浮かべました。『人間、どう生きるか、どのようにふるまい、どんな気持ちで日々を送ればいいか、本当に知っていなくてはならないことを、わたしは全部残らず幼稚園で教わった。人生の知恵は大学院という山のてっぺんにあるのではなく、日曜学校の砂場に埋まっていたのである。わたしはそこで何を学んだろうか。何でもみんなで分け合うこと。ずるをしないこと。人をぶたないこと。使ったものはかならずもとのところに戻すこと。ちらかしたら自分で後片付けをすること。人のものに手を出さないこと。誰かを傷つけたら、ごめんなさい、と言うこと。食事の前には手を洗うこと。トイレに行ったらちゃんと水を流すこと。焼きたてのクッキーと冷たいミルクは体にいい。釣り合いの取れた生活をすること・・・毎日、少し勉強し、少し考え、少し絵を描き、歌い、踊り、遊び、そして少し働くこと。毎日かならず昼寝をすること。おもてに出るときは車に気をつけ、手をつないで、はなればなれにならないようにすること。不思議だな、と思う気持ちを大切にすること。』などです。新入園児が登園してくるようになると、しばらくは子どもたちも先生たちもおおわらわとなりますが、たくさんの遊びを通して様々なことを学んで欲しいと思います。
 さて、話は一転しますが、今日4月1日エイプリルフールは嘘をついても良いという風習があり、国によってはテレビや新聞までが嘘の記事を掲載したり報道したりします。しかし、今年は新型コロナウイルスの影響もあり、ジョークさえタブーになってしまっているように感じていましたが、そこに、老若男女が知っている、コメディアン、志村けんさんの訃報が重なり例年のようなエイプリルフールにはなりません。一昨日3月30日の朝、めぐみ組の K君がこんなことを言っていました。「園長先生、にいに(兄に)がもし魔法が使えたら志村けんを生き返らせたいんだって」とです。こんな子どもたちの願いを思うと、コロナウイルスの拡大も志村けんさんの訃報は本当の嘘であって欲しいそう思ってしまいます。
2020年04月01日(水) No.2772 (園長日記)

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