Diary

連綿と伝わること


今朝の新聞やニュースでご存知の方も多いかと思いますが、昨日、国立科学博物館や国立遺伝学研究所などの研究グループが北海道・礼文島の船泊遺跡から発掘された約3500〜3800年前の縄文時代後期の女性人骨からすべての遺伝情報を初めて解読できたと発表しました。その結果から比較的少ない人口集団で狩猟採集生活を続けていたことや、瞳が茶色く、髪の毛が細いなどの外見的特徴や、アルコールへの耐性が強いことなど様々なことが判明したと言うのですから驚きです。普段の生活ではほぼ考えることはありませんでしたが、こんなニュースを見ると、縄文時代の人々から連綿と命が繋がり今の自分があることは奇跡であり、感謝しなければならないことだと感じます。そんな命が繋がっているのと同様に約3000年前の縄文時代後期から日本に伝わっているものの一つが大陸から伝わった稲作です。仙台市には縄文時代の穴や倒木の跡、約2万年前の旧石器時代に生きた人達の活動跡と森林跡が「地底の森ミュージアム」として建設され、発掘されたままの状態で保存・公開されていて当時の人々の生活を偲ぶことができます。そんな大それた歴史ではありませんが、保育園では日本の文化や生活を伝えて行くべく、7年前から卒園児のおじいちゃんHさん(田んぼの先生)にご協力いただき、保育園の園庭から見下ろせる田んぼの一角に5歳児が田植えをさせていただいていますが、今年は今日がその日でした。昨日のような青空とはなりませんでしたが、数日前から心待ちにしていた5歳児50人はTシャツ短パン、サンダル履きで田んぼに向かい、田植えの仕方を教えてもらい、いざ田んぼへ入ることになったのですが、園庭での泥遊びとは比較にならない広さと深い泥の田んぼに「うわ〜深〜い」「気持ち悪い」「足が抜けない」「気持ちいい」「冷たい」と様々な反応を見せながらも上手に植えることができました。M組のSちゃんのように中には田んぼに入ることに抵抗があり躊躇する子どもたちもいましたが、お手伝いしてくれた代休代替担当のM先生は子どもが田んぼで転ぶのを体を張って守ってくれたらしくお尻や背中が泥だらけになりながら大活躍・大奮闘してくれました。そんなこともあり子どもたちも担任の先生たちもみんな手や足が泥んこになりながら楽しい!?時間を過ごすことができました。数ヶ月後の秋、今度は稲刈りをさせていただく予定ですが、こんな風に地域の方々の力をお借りしながら、日本の文化を伝え、保育園の文化を作っていきたいと思います。
2019年05月14日(火) No.2550 (園長日記)

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