Diary

気をつけないと


園庭の桜やけやきの木に若葉が育ち始め、溢れる日差しの強さは初夏を思わせるほどになりました。こんな陽気に植物だけでなく様々な生き物が活発に動き出すようになったことから生き物好きの男の子たちは飼育ケースやカップを抱え虫探しに大忙しです。中でも虫博士の5歳児N組のT君は毎日数人の男の子を引き連れ石をひっくり返してみたり、畑を掘ってみたりとじっとしていません。今朝そんなT君が右手の親指を左手で握りしめたまま顔をしかめてすごい勢いで職員室の前の水飲み場に走ってきました。その表情から何かあったということがすぐにわかったので「どうしたの?怪我した?」と聞くと「うん!」「凄〜く痛い」と返事をしたと思ったらおもむろに蛇口をひねり握りしめていた親指に水をかけ始めました。どこかで切ったものだろうと思っていたのですが血が流れる様子はありません。そこで再度「どうしたの?」と聞くと「あのさあ、あっちの木のところでゾウムシに似ている赤い虫に刺された」という返事が返ってきました。そこで冷やしていた指を見せてもらうと確かに何かに刺されたような跡があります。そのため職員室の主任のY先生と担任のN先生に様子を伝えながら消毒してもらい保冷剤で指を冷やすという対応をしてもらい、どこで、どんな虫に刺されたか教えてもらうことにしました。T君が指の痛さをこらえながらも走って案内してくれた桜の木には確かに背中が赤いカメムシの仲間と思われる虫が集まっています。しかし、どう見ても凶暴そうには見えません。しかし、担任のN先生が調べてみると「ヨコヅナサシガメ」という虫であることが判明!この虫、よほどのことがない限り刺すようなことはないそうですが、刺されると蜂に刺されたような痛みが走るというのです。だからこそ顔をしかめ水道に走ってきて冷やすという行動を取ったということに合点がいきました。そして、小さな虫でも危険な虫がいるので気をつけなければならないことをT君も僕も知ることができました。幸い刺されてしばらくすると痛みも引いたようで、その後何事もなく過ごしていましたが、驚いたことに夕方外遊びをしていたT君たちがお皿で蓋をしたカップを持って興奮した様子で職員室にやってきたと思ったら「園長先生、ゴキブリ捕まえた」というではありませんか。これには職員室にいた先生たちは悲鳴にも似た「えっ〜!」という声をあげていました。この言動からT君は朝の痛みを忘れていた、全く懲りていないということがわかり可笑しくなりました。
 さて、宮城県内の田んぼでは5月の連休を迎える前に田植えをするために水が引き入れられ代掻きがなされます。そしてホームセンターや種苗屋さんでは様々な野菜の苗が販売されるようになります。保育園でも毎年畑で野菜を育てるため毎年先生たちが子どもたちと一緒にする畑の畝たてをします。その作業が結構大変なので手伝ってあげることにしたのですが、5歳児は今日、今年度初めての「お話の部屋」がありKさんに絵本を読んでもらうため早めに保育室に戻り、4歳児は近隣の公園に散歩(園外保育)に出かけたこともあり、一人で作業することになってしまいました。数日かけてもよかったものの明日から天気が崩れるというので今日終えることをノルマにした自分が間違いでした。なぜなら、気温の上がった中、結構な広さの畑を全てを耕し直し、乾いているといえそれなりの重さの土を畝にしマルチシートを張ることが重労働であり畑仕事を甘く見てはいけないことを思い知ったからです。このことから、軽はずみなことを言わないこと、安請け合いをしないこと、そして何より年齢を考えることを覚えました。今さらながらですが・・・。
2019年04月23日(火) No.2541 (園長日記)

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