Diary

厳しい世界!?


先週末に小学校も春休みを迎えたこともあり、お兄ちゃんお姉ちゃんのお休みに合わせ卒園式を終えた5歳児が一人二人と本当の意味で保育最終日を迎えています。毎年のことですが、この時期になると5歳児のN組・M組の子どもたちが日替わりで「ねえ、園長先生、今日一緒に給食食べよう」と言って普段職員室で給食を食べている主任のY先生、事務のOさん、そして僕を誘いにきてくれます。そんな嬉しいお誘いを断る理由もないため喜んで一緒に食べるようにしています。そして、今日もM組の女の子たちが誘いに来てくれたのですが、それからほどなくして同じM組のI君が何か言いたそうに職員室にやってきました。しかし、職員室へ入ってくることなく扉の前で困った顔をしています。そんな職員室に新年度の準備をしていた担任のN先生がいたので「あれ、I君どうしたの?」と声をかけてくれたのですがモジモジして話してくれません。しかし、その様子からして絶対に何か伝えたいことがあることは明らか!そんなI君に再度N先生がどうしたのか聞いてみると、何と僕と一緒に給食を食べたかったと言うのです。しかし、先にやってきた女の子たちに「それはダメ」という趣旨のことを言われたとかで落ち込みしょんぼりしていたようなのです。身体は大きい方ですが、とても優しいI君、恐らく自分の想いを女の子たちに伝えたものの多勢に無勢だったのでしょう。それでも何とかして欲しくて職員室のN先生と僕に助けを求めにきたと言うわけです。そんなI君の想いを叶えてあげたくてN先生の代わりにM組に入ってくれていた主任のY先生にも事情を伝え、子どもたち同士で話し合ってもらうことをお願いし一度職員室へ戻りました。するとしばらくしてニコニコしたI君が僕を迎えに来てくれたのでランチルームへ行ってみるとY先生の配慮もあったのでしょう、I君の念願が叶ったようで女の子たちに混ぜてもらいI君の隣に僕が座れるように準備しありました。紆余曲折あったもののみんなで一緒に食べた給食はいつも以上に美味しく感じましたが、何より、食の好き嫌いが多くいつも食べる量を減らしてもらってもなお、食べるのに時間がかかるI君がいつになく早く食べてくれていたのが嬉しかったです。とはいえ、周りのみんなよりはゆっくりだったため、みんなのように器に入っていたデザートのいちごを選ぶことができず、残ったいちごを食べることになったのですが、そのいちごはといえば、みんなが食べた真っ赤に熟れたそれとが違い、随分と白いところが目立っているのです。そのため「何だかこのいちご甘くない!」と言いながら食べていました。それにしても、僕と一緒に座ることから始まり、デザートのいちごのことを考えても、就学を目の前にした5歳児の子どもたちの世界は弱肉強食のような何とも厳しい世界であることとI君の優しさを再確認させられました。
2019年03月27日(水) No.2522 (園長日記)

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