保育日記

ルール

1930年代に活躍した発達心理学者パーテンは2～5歳までの子どもたちがどのように仲間関係を発展させていくかという研究をし“遊び”を以下の6つに分類しました。
①何も遊んでいない状態（とりとめのない行動）　
②ひとり遊び：他の子に近づいたり、話しかけたりせず、1人で遊んでいる状態　
③傍観的行動：声をかけたりはすることはあっても、遊び自体には交わらず、他の子の遊びを見ている状態　
④平行遊び：子どもが何人かいて、似たようなおもちゃを手にしていても、互いは交わらず、それぞれが独立して遊んでいる状態　
⑤連合遊び：他の子と一緒に遊ぶものの、基本的には子どもそれぞれが自分のやりたいように遊んでいる状態　
⑥協同遊び：協力して遊ぶ（おままごとなど）ルールを意識して遊ぶ（ゲームなど）のように、子どもたちが何らかの目的を持って協同して遊んでいる状態
　
　進級を迎えようとしているこの時期、子どもたちの遊んでいる姿を見ていると、現在どの遊びの状態か分かる気がします。今朝のことです。5歳児M組のS君・R君・K君たちが鉄棒の近くにある大きなタイヤ（花壇）の隣にグラグラ揺れる数段重ねたタイヤの遊具を置き、そのまた隣に別なタイヤを置いて「いい！？タイヤのところ（上の意）だけ歩くんだよ」と言いながらぴょんぴょん飛び移るという遊びを繰り返し楽しんでいました。僕の近くでそんな姿を見ていた4歳児女の子たちは「お兄さんたちまた変なことしてる！」と言いながらじ～っと見ています。そんなことを知らない男の子たちはタイヤから地面に落ちてしまうと「あ～落ちた！」とか何とか言いながら楽しそうにしているのです。その姿をじ～っと見ていた女の子たちは5歳児の男の子たちがぐらぐらするタイヤの上に立っているとき自分がタイヤの上に立って遊んでいるという感覚・感情が湧き上がってくるようで「うわ～ドキドキする」と言いだしました。こんな風に遊びの様子を見ることを通し、次第にその遊びを真似ることを繰り返し更に遊びが発達していきます。そんなことからも遊び自体には交わらず、他の子の遊びを見ている傍観的な状態でもその子が楽しいと感じているときは、その子は遊んでいる状態と同じでありとても重要なことです。
　皆さんも小学校の頃「白線の上だけ歩くこと」とか「交代交代で石を蹴る」なんて自分達だけのルールを決めながら登下校した経験があるのではないでしょうか？子どもたちは遊びを考える天才であり、遊びに必要なルールを考える名人でもあります。そんな子どもたちの遊びの発達段階・発達過程をしっかり見極め就学・進級を迎えられるように関わりたいと思います。

2019年02月07日（木） No.2489 (園長日記)

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