Diary

科学のふしぎ


今年も保育園の畑に野菜の苗が植えられることとなりますが、そろそろ土の栄養が少なくなってきた感じがすること、また連作の影響が出ないようにするため、昨日、雨が弱まった時を見計らい軽トラックで町内の畜牛農家へ牛フンを買いに出かけました。牛フンと聞くと臭いイメージがあるものですが、草食動物である牛のフン、しかも、しっかりと発酵が進み堆肥となったものはほとんど臭うこともなく、一見土に見えるほどなのです。その牛フンを軽トラックの荷台に山盛りに載せ保育園に戻り、栄養が畑に十分行き渡るようにドッサリと撒きました。ところが、撒いても撒いても荷台にまだまだ残っています。そこで第二光の子保育園の畑にもおすそ分けしに出かけ、第二の畑にもどっさりと撒いてきたのですがそれでもなくなりません。そこで今朝は梅や柿、ザクロといった実の成る木、また少々元気のないモミの木やギンモクセイやケヤキの根元にも施し、残りは再度畑に撒きました。そんな様子を保育室から見ていた子どもたちがいつものように「お〜い園長先生おはよう!何してるの?」とバルコニーから訪ねてきます。そこで「牛のウンチを撒いてるんだよ」と返事をすると「え〜っ!?」とか「どうして?」いう返事が返ってきました。それからほどなくして園庭に出てきた子どもたちはウンチと聞いていることもあり興味津々。しかし特別臭いわけでもなく、見た目もそれとは思えないため半信半疑といった表情!そんな子どもたちに牛のフンが堆肥になると臭わないこと、またフンが発酵すると熱をもち温かくなるということを知ってもらいたく堆肥を大きなビニール袋に分け、その袋を触ってもらいました。すると「うわ〜っ!あったか〜い」「どうして?」と言う感想がたくさん聞かれました。そんな堆肥によって土が柔らかくなり野菜や花や木が元気に育つということなどに子どもたちは、「なぜ?」「ふしぎ」という感情を抱いたようです。そして僕だけが思った・感じたことかも知れませんが子どもたちは牛のウンチだった堆肥に対し特別な偏見を持つことがなかったのでしょう。誰も「汚い」と言いませんでした。それがとても嬉しく思いました。山形県金山町にとても面白い保育をしている認定こども園があります。そこではポニーなどを飼育していることもありフンを堆肥にし畑の肥料にするということも子どもたちに経験をさせるため、その菌に「キンちゃん」と名前がつけられ堆肥には微生物と言う菌が住んでいることなどを伝えていると言うのです。我々の保育園はそんな園に足元にも及びませんが5歳児M組のRちゃんは今日、摘んできたクローバーをティッシュに包んで潰し「園長先生見て!ほら緑色になったよ」と嬉しそうに見せてくれました。これも科学のふしぎさを自分で発見しているということの現れ!大人に言われ(教え込まれ)何かを知るのではなく自分で発見することこそが本当の学びであり知識となることは言うまでもありません。
 さて、今日雨が降りできなかった堆肥の混ぜ込み明日やり終えなければ・・・。
2018年05月10日(木) No.2307 (園長日記)

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