Diary

子どもたちの疑問


某人気グループのプロデューサーであり、作詞家や放送作家などの顔を持つA氏が以前「歳をとるということは『初めてを失っていくこと』」と語っていましたが、保育園の子どもたちを見ていると、その意味がよ〜くわかります。それは食べ物や生き物との出会いや経験などありとあらゆる事物に至るということになります。給食で初めて食べる食材やメニュー、暖かくなると出てくる虫や綺麗に咲く花などなど・・・。自分自身も幼い時「どうしてアリは道具もないのに穴を掘れるのだろう?」とか「電気のない暗い土の中にいるのに大丈夫なの?」などの疑問を持ったものです(今でも不思議でなりませんが)。そんな疑問を抱き(出会い)それを理解(解決)することが知識や記憶となり『初めて』から『経験(過去)』と変わっていきます。その場合も誰かに教えてもらうよりも自分で納得することが忘れることのない記憶(海馬)に残る知識につながるのだと思います。
 さて、そんな海馬に残るような疑問ではなく、多くの疑問はすぐに忘れてしまうことになるのですが、今日、退勤する時、玄関で3歳児T組のT君に「ねえ、園長先生今日のごはんなあに?」と聞かれました。さすがに帰宅しないと晩ごはんのメニューはわかりませんので「何だろうなあ?帰ってみないとわからないなあ」と返事をしたのですが、この会話を聞いていたお迎えに来てくださっていたおばあちゃんも大笑いしていました。ところが玄関で大笑いをしてからすぐのことです、4歳児A組のF君が延長保育担当のS先生に「ねえ、園長先生ってお金持ちなの?」と訪ねました。F君もS先生も僕に気づいていません。そこで、S先生が返事をする前に「お金持ちじゃないよ!」と返事をすると、急に本人から返事が返って来たのでF君は驚き、S先生は笑っていました。返事をしてから、もし、僕が通りかからなかったらS先生はF君に何と答えたのでしょう?それが気になりました。4・5歳児くらいになると「園長先生って保育園で一番偉くて、その次はY先生なんだよね?」などの質問を受けることがありますが、そんな子どもたちの疑問にいつも笑ってしまいます。
2018年03月06日(火) No.2263 (園長日記)

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