Diary

保育の基本


今日は久しぶりに宮城県保育協議会主催の所長研修会に参加し、午前午後を通し二つの講演を聞いてきました。午前中は医師であり、宮城県中央児童相談所や宮城県子ども総合センターに勤務なされ、東日本大震災ではセンター内に子どもの心のケアチームを組織するなどして心のケアに取り組むなどし、現在福島県郡山市内で子どもの病院臨床に従事なさっている本間博彰先生の講演でした。その中で心に残ったことは、近年何かと騒がれることの多い「気になる子」という子どもたちを「気にかかかる子」という表現をなさっていたことでした。そもそも子どもと関わっている私たちが子どもたちのことが「気になる」ことは当然のことであり、反対に「気にならない」ということは問題なのだとおっしゃるのです。確かに子どもを見ていれば言動の意味が見えてくるものであり、見ていない保育者は子どもに関わる資格はないと言えるのでしょう。これまでも先生の講演を聞かせてもらったことはありましたが、今回語ってくださった「心」がどのように出来上がるのか、「不安」が発生するのはどんな時かや愛着形成のことなどを職員にも聞いてもらいたいと思いました。午後の講師は東京都市大学客員教授、猪熊弘子先生が「子どものいのちを守る保育とは?」というテーマでお話してくださいました。実際に保育現場で起きた重大事件・事故、またヒヤリハットについて詳しく聞かせてもらい、その全てが他人事ではなく、自園でも起こり得ることであり、「今まで何もなく平気だった」としてもそれはラッキーな偶然の連続だったのかもしれません。自園の常識を疑い、思い込みや怠慢がなかったか確認すること、そして子どもたちの命を預かるということの重要性や責任を改めて認識させてもらいました。
 偶然にも今日、僕が留守にしている時に先日作ってもらった築山にダンプカーで土が運び込まれたようです。多様性のある園庭と評価されるようになったものの、見方によっては事故が起き得る環境とも言えるかと思いますが、今日の講演内容をしっかり生かし、子どもたちの「命」を守ること、「心」の動きや「不安」の発生源に気をつけながら過ごしていきたいと思います。
2017年10月27日(金) No.2173 (園長日記)

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