Diary

多様性のある環境


「手のひらを太陽に」の歌詞の中に出てくる“オケラ”という生き物、僕は2011年に見たのが人生二度目で、それ以来、広い園庭や畑でも見かけることがないのに、今朝登園してきた4歳児H組のS君が玄関のところまできた時、妙な生き物を見つけたようで、掃除をしていた僕に「ねえ園長先生、これ何?」と聞いてきました。一体S君が何を見つけたのか指差すところを見てみると、コオロギやバッタのように見えるけれどコオロギでもバッタでもない昆虫が短い足を必死に動かしどこに行こうとしているのです。それが人生三度目のオケラとの出会いとなったのですが、そのオケラが歩く先には次々に登園してくる子どもたちや保護者の方がいます。ということは気づかれずに踏みつぶされたり、車道まで歩いたたものなら轢かれてしまったりすることは明らか。それでは可哀想なのですぐに捕まえS君に「これが♪ミミズだって オケラだって アメンボだって のオケラだよ ほら」と見せてあげました。ところが可愛らしくも魅力も感じなかったのか「いらない」と一蹴されてしまうことに・・・。そこで、別な誰かにも見せてあげたいと思ったのですがそんな時に限って登園する子どもたちが途切れてしまうのです。かといってずっとオケラを握ったまま誰かを待つ訳にもいかず逃してあげることにしました。その間、必死に逃げようと穴を掘るかのように結構な力で指の間を必死に掻き分けるのです。その感触を子どもたちにも味あわせてあげたかったのですが土管の花壇に放した途端、ホッとしたのかあっという間に土の中に潜っていきました。その様子を見て感じたこと、それは何と不思議な生き物、そして穴掘りの上手な昆虫ということです。また、そんなオケラの存在など知らない子どもたちの多くが飼育ケースを抱え今日もトンボやバッタを捕まえるのに夢中になっている姿を見ていると、改めて我が園は何と多様性のある環境なのだろうそう思わされました。
2017年09月05日(火) No.2137 (園長日記)

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