Diary

生まれた場所によって


今朝、NHKのニュースを見ていたら、奈良市内で農作物を食い荒らす被害が深刻化していることから、文化庁は春日大社の神の使いとして大切にされ、国の天然記念物に指定されている「奈良のシカ」の捕獲することを許可したということを伝えていました。奈良の大仏で有名な東大寺などに行かれたことがある方はお分かりかと思いますが、この鹿たち、春日大社の神の使いとは言われていますが神社に柵があるわけではないので観光客がくれる「鹿せんべい」だけではなく、餌を求め自由に行動することができます。そのため農家の方が丹精込めてつくった田畑の作物を食い荒らすこともあるのでしょう。そうなると農家の方にとっては死活問題ということになります。鹿たちは自分たちが神の使いとされていることなど知るはずもなく生活していると思いますが、作物を荒らされる農家の方々は到底神の使いとは思えないでしょう。神の使いと言われながら、場合によっては厄介者とされることもある鹿たち。もし別なところで生まれていたら神の使いなどともてはやされることなどなかったでしょうし、大勢の修学旅行生にせんべいをもらう経験もなかったことでしょう。そして、いつもなら、奈良公園で鹿せんべいを食べているのにたまたま市外に出たときに捕獲されてしまうなんてことも今後あり得るのでしょう。同じように保育園にやってきたお陰で子どもたちに捕獲されてしまうセミやトンボ、だんご虫やカエルといった生き物も別なところで生まれ生活していたら違った人生を送っることになるのでしょう?それは人間も同様で、生まれる国や親は子どもが自分で決めることはできません。世界中の人々・子どもたちが、どこに住んでいても、この国に生まれて良かった、この家族のもとに生まれて良かったそう思える世界になってほしいものです。
2017年08月01日(火) No.2116 (園長日記)

No. PASS