Diary

待ちきれない


1週間くらい前から職員室の目の前にある花壇に植えてあるイチゴが次々に実を実らせ、その実が赤くなり始めました。そんな変化に子どもたちが気付かないはずはなく何人となく「ねえ、園長先生!イチゴ赤くなったね!食べていい?」と聞いて来ます。ところが、赤くなったとは言ってもほんのりと色がつき始めたばかりで、どう考えても甘味などなく見るからに硬そうなのです。しかし、保育園の場合、赤く色づき食べ頃になるまで待つなんていう子どもなどいるはずなど皆無なのです。なぜならば、ちょっとでも赤くなり始めた時に食べないと誰かが食べてしまい自分の口に入ることなく翌年の初夏まで待たなければならないことを知っているからなのです。ですから前述のように「ねえ、園長先生!イチゴ赤くなったね!食べていい?」と聞いてくるような子どもたちは本当に稀で、せっかく赤くなり始めたイチゴを見つけながらほぼ間違いなく食べられないという結果に陥ってしまいます。そうかと思うと僕に「赤くなったよ」とか「食べていい」と話しかけてくることなど全くない子どもたちが、色づくどころか、まだまだイチゴの実と判別することが難しい実まで次々に見つけ出し、試食よろしく食べているのです。そんな子どもたちに「おいしい?」と聞くと「うん!」という返事が返ってくるのですから驚いてしまいます。そんなにイチゴが好きならばということでヘビイチゴを収穫し「こんなイチゴあるけど食べて見る?」と聞いてみるとここでも「うん!」という返事が返ってくるので「じゃあ、洗って食べてみて」と言って渡してあげると小さい実を落とさないように注意深く洗ってから口の中に・・・。すると、甘みも酸味も水気もないヘビイチゴを食べても「おいしい」とニコニコしているではありませんか。だからこそ、絶対においしいはずもない青いイチゴでも「おいしい」と言って食べることができるのでしょう。今週は肌寒い日が多かったためイチゴの育ちも一旦足踏みだったようですが、来週は晴天が戻って来そうですので、イチゴ争奪戦が始まることと思いますが、子どもたちが誰一人いない日曜日は鳥や虫たちが争奪戦をすることでしょう。
2017年05月26日(金) No.2072 (園長日記)

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