保育日記

知らないことがわかること

2010年大河原町にある老舗味噌屋さん（玉松味噌醤油株式会社）にご協力頂いて始めて以来、今ではすっかり保育園（5歳児）の恒例行事となった味噌作りですが、今年度も工場長にご指導のもと無事に200㌕仕込むことができました。5歳児の保護者にお手伝いを募ったところ、N組のSちゃんのお母さん、Sちゃんのおばあちゃん、M組のAちゃんのお父さん、Kちゃんのおばあちゃん、これまで様々な園行事の際ボランティアとして来てくれているS学院大学の学生にも声をかけたところ喜んで手伝いにきてくれました。こんな風に複数の大人の手があることと数年間蓄積された経験のおかげで、先生たちの準備や対応も万全で袋が破れたり材料がこぼれたりすることがこれまでで一番少なかったと思います。僕はおばあちゃんたちと一緒に仕込みましたが、Kちゃんのおばあちゃんが盛んに「この保育園は他の保育園ではしないような色々なことをさせてくれるので本当に幸せです」とおしゃってくださっていましたが、僕は保育園の保育を理解し、ご協力くださる玉松さん、お手伝いに来てくださる保護者や学生たちに感謝するばかりです。
　ところで今日味噌作りをした子どもたちのほぼ全員のが初めての経験で、味噌の原料など知らなくても当然と言えば当然ですが、なんとボランティアに来てくれた大学4年生も原料を知らないというではありませんか。そんな学生たちも子どもたちと一緒に作業をすることで味噌の原料や仕込みの大変さを知ったことになります。そう考える前述のKちゃんのおばあちゃんが感じてくださっているように、乳幼児期に如何に大人が様々な経験をさせてあげるかが重要であるか、そして自分たちの保育が間違っていないか再確認したように思います。生まれて数年しか経っていない子どもたちにとって世の中知らないことばかり。だからこそ色々なことに興味があり知らないことを知ろうとするのです。そして知りたいと思ったことを知った時には喜びが湧いているはずです。であれば今日のような雨の日は雨が降る（降った）からこそ知ることができるいい機会、降らなければ気がつかないことがたくさんあるのですから時には雨降りでも外に出てみるような保育が展開されることを期待したいと思っています。ちなみに僕は雨が降ろうが雪が降ろうが日差しが照りつけるような日でも放射線量の計測をしていることもあり1日一度は必ず外に出ます。だからこそ今日も園庭にできる水たまりの改善や側溝の詰まりの有無を確認できました。要するに大人になっても知らないことが次々出てくるわけで、生きるということは永遠に学んでいかなければならないということなのでしょう。

味噌の材料（分量・割合）
蒸煮大豆　　　　２．８㎏
米こうじ　　　　１．５㎏
赤穂の天塩　　　６００ｇ
酵母菌　　　　　３００ml
以上の割合で作ることができるとのことですが、酵母菌だけは一般的には手に入らないそうです。その場合、自家製味噌を酵母菌の代わりに使うと良いそうです。

2017年05月25日（木） No.2071 (園長日記)

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