Diary

理にかなったこと


童謡「たきび」では「♩かきねのかきねのまがりかど、たきびだたきびだおちばたき〜」と歌われるように、秋、落ち葉が落ち始める頃にはどこでもたきびがされ煙が立ち上り、何とも言えない香りが漂うものでした。また、落ち葉の季節でなくとも昔は仙台の中心部と言われる県庁や市役所の近くでも夕方になると、夕食を作るためのかまどや風呂を焚くための釜からも煙が立ち上りました。しかし現代では煙が臭いとか、喉や体に悪いなどと言われるようになり「たきび」そのものが禁止されるようになってしまいました。もとより、宮城県庁や市役所付近にはマンションが林立し、庭のある家そのものが少なくなってしまったため物理的にたきびそのものができない環境になってしまっています。宮城県の米どころである県北では稲刈りが終わるとあちこちの田んぼで稲が焼かれるため、一帯が煙に覆われ高速道路では視界不良になるほどでした。そんなことも原因になったのでしょう、田んぼでも稲を焼くことが禁止されてしまいました。しかし、稲を焼くことで虫を殺したり、植物の成長に大切な土を酸性からアルカリ性にするなどの効果があったようなのです。植物の成長に必要な3要素(窒素・リン・カリウム)のことを誰もが学んだと思いますが、灰にはカリウムや石灰が含まれていてカリウムは病害虫を防ぎ作物を健康にするといい、石灰はアルカリ性で土壌の酸性をアルカリに近づけてくます。そんな理にかなった効果があるのにたきびや稲わらの野焼きが禁止されるとは・・・。ところが保育園では消防署に届出をして焼き芋をするためにたきびをしますし、溜まる一方のススキや落ち葉をたきびをして燃やしています。また、ランチルームは暖炉(薪ストーブ)で薪を燃やし暖をとるため灰を取らないと燃えが悪くなります。そして集められた灰をどうしているかといえば、今日も畑に蒔き土作りに役立たせています。そんな時、ふと「花咲か爺さん」の話を思い出し、あることを考えました。それは、花咲か爺さんのお話はあながち嘘ではなく灰によって本当に咲いたのかもしれないと・・・。それが本当だとしたら、これこそ「ハイテク」いや「灰テク」ということになるのかもしれません。最後に、あり得ないことかと思いますが、高知名物の「かつおのたたき」を守るためにも稲わらを焼くことがすべて禁止されることがないように願うものです。
2016年12月09日(金) No.1958 (園長日記)

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