Diary

もういいよ!


いつものように仕事へ出かけようと玄関へ向かおうと思った時、リビングのテーブルの上に置いていたスマホから、地震発生を知らせるけたたましい音が鳴ったと思った途端、あの震災を思わせるような嫌な揺れが始まりました。その時点で電車が止まることは間違いないと判断し、すぐに車で出かけることにしました。時刻が6時になりNHKのニュースではアナウンサーが慌ただしく地震発生とそれに伴い沿岸部に津波の襲来を伝え避難するように呼びかけています。そんな中、自宅は何も被害がなく無事が分かっていたので直ぐに車を出し、今後また大きな揺れが起き、以前のように給油できなくなることもあり得ると思い、そこで半分以上残っているものの給油を済ませ、道中ラジオを聞きながら園に向かいました。すると、またしても「津波がやってきます。東日本大震災を思い出してください。いち早く高いところに避難するか、川や海から遠い所へ避難して下さい。命を守って下さい」「近所にお年寄りや体が不自由な方はいらっしゃいませんか?声をかけ合い逃げてください。東日本大震災を思い出してください。」と呼びかけています。僕は叫ぶようなアナウンサーの声と繰り返される「東日本大震災を思い出してください」というメッセージに自転車で出勤したことや津波に飲まれていく映像を思い出し、とても苦しくなりました。ということは、自宅や家族を失ったり、津波を見たり(飲まれそうになったりした)方々は、東日本大震災を思い出したくないと思っていたことでしょうからどう感じたでしょうか。また、5年以上の時間が過ぎ、ようやく穏やかに過ごせそうになった方々にとってあの日を思い出さなければならないあのメッセージはとても怖く、また辛く感じたように思えてなりません。もちろん、命を守ることが最優先にされるべきことです。ただ、だと言ってあのメッセージが適切なのでしょうか?一方、もし自分がアナウンサーだったら何と伝えたかと考えると・・・。その答えは出てきません。ただ、子どもたちがかくれんぼの時に「もういいかい」「もういいよ」と呼び合うときのような楽し気な「もういいよ」ではなく、こんな辛い体験・経験は「もういいよ!」と叫びたい気持ちです。なぜこんなに不安なことが起きるのかわかりませんが、今朝の地震による被害が最小限であること、心に傷を負う人々が少ないことを祈るばかりです。そして、今回も広島のI先生が早々に被災状況を案じてメッセージを送って下さいました。I先生、保育園の子どもたちも保護者も職員も建物も僕も無事ですのでご安心ください。そして、本当にありがとうございました。
2016年11月22日(火) No.1944 (園長日記)

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