Diary

oneworld


近代オリンピックの父と呼ばれるピエール・ド・クーベルタンが提唱したオリンピックのあるべき姿(オリンピズム)は「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」ということだそうです。
 さて、保育園では来月10/8(土)に予定されている「親子で遊ぼう会」に向けて各クラス(各年齢)で様々な話し合いや準備が進められていますが、その中で今年度が保育園生活最後の「遊ぼう会」となる5歳児クラスの子どもたちと先生たちはリオデジャネイロオリンピックの影響を生かしたプログラムを考えています。雨が降っていて外に出られなかった今日は保育室の床に国旗が描かれている大きな世界地図を広げ楽しそうに国旗(手旗)作りをしていました。そんな子どもたちにあえて「何してるの?」と聞いてみると「えっ、旗作ってるんだよ」「あのね、これはアメリカで、これがカナダ」と笑顔で誇らしげに返事をしてくれるではありませんか。特にN組のR君は友だちが作っている旗がどこに印刷されているかをあっという間に見つけ出し「〇〇ちゃんの旗ここだよ」と指をさして教えてあげる様子も見られました。一方、ドイツやフランスやロシア、イタリアなどに象徴されるような三色で構成されている旗の場合、上下逆さまになることもしばしば・・・。案の定、S君の作ったドイツ国旗は上下反対!そこで「S君、もう一度地図をみてどっちが上か調べてごらん」と声を掛けると保育室へ戻り、直した旗を職員室へ見せに来てくれました。また、作った旗を嬉しそうに振り、「園長先生これどこの旗」といってRちゃんが見せてくれたのは、国際社会が繰り返し求めてきた国連安全保障理事会決議の遵守と核実験を含む挑発行為の禁止を無視し度重なる核実験や弾道ミサイルの発射を行っている隣国の旗でした。しかし、Rちゃんにその国がどのような国なのか伝えることもできず、また、説明すべきではないと思い、国名だけを知らせました。自分で作った某国の旗を嬉しそうに振るRちゃんに罪はありません。そして、その国旗を排除すべきか考えながらも他国と一緒に準備した担任のN先生の英断に園長として誇りに思いました。忌み嫌われる国であったとしても地球に存在する国の一つです。そう考えるとその国や国民を批判するのではなく、その国の指導者に世界は一つであることに気づいてもらえるように祈りたいと思います。そうすれば、N先生があれこれ悩むことも、Rちゃんが喜んでその国の旗を振っていてもドキドキする必要はなくなるはずですから・・・。
2016年09月28日(水) No.1904 (園長日記)

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