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頑張っただろうに
あちこちからセミの鳴き声が響くようになり、益々暑さを感じさせられますが、セミがそんな鳴き声を響かせられるようになるまでには土の中で数年間過ごすという人間には考えられない忍耐力が求められます。そして殻を脱ぎ捨て成虫になると限られた期間内に伴侶を見つけ子孫を残し短い人生を閉じることになります。そんな抜け殻を今年も子どもたちが園庭のどこからか見つけ出し、バケツや飼育ケースに入れて宝物のようにしています。僕も今朝外の掃除をしている際、小さなどんぐりの木に付いている抜け殻を1つ見つけましたが、一旦そのままにして側溝の掃除をしようと思ったのですが、そこにも抜け殻が・・・。ところが拾ってみたところ、抜け殻とは明らかに重さが違うのです。そうです、それは抜け殻ではなく成虫になる前の幼虫だったのです。しかし、すでに動くことができず息絶えていました。僕の勝手な思い込みですが、この幼虫は園舎ができる前に産み付けられ地上での生活を心待ちにして土の中で数年間過ごしてきたことでしょう。しかし、こともあろうに土から出てきた途端、人間が作ったコンクリート製の側溝に落ちてしまい、成虫になるべく頑張って這い上がろうと何度もトライしたものの力尽きて命が尽きてしまったのでしょう。比較には適さないかと思いますが、ニホンカワウソなども人工的な河川工事により絶滅したとされるなど人間の手によって生き絶えてしまいました。そして同じようなことが身近(保育園)にもあると思うとなんだか複雑な気持ちになりました。かといって側溝にセミの幼虫のための木製の階段を作るわけにも・・・。今後側溝を作るようなことがあれば自然を生かしたような構造にしてあげたいと思います。
2016年07月20日(水)
No.1856
(園長日記)
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