Diary

さて、どうしよう?


降る雨に誘われて出て来て車にひかれたのか、昨日の日差しに干からびてしまったミミズが降った雨でふやけたのか、今朝、保育園に隣接する体育館の駐車場に数匹のミミズが死んでいました。そんなミミズは掃除の際、塵取りに集めカメたちの餌にしてあげるのですが、昨年の9月、県内を大雨が襲った時、近所のセキュリティー会社の方が「保育園で飼わない?!」と連れてきてくれた迷子だった小さい方(子どもたちは赤ちゃんと呼んでいる)のカメに食べさせてあげました。ところが、いつもならすごい勢いでかぶりつくのに、今朝はお腹がいっぱいだと見えて食べる様子がありません。そこで、残りのミミズを数年間で随分大きくなった方のカメのタライに入れると案の定、一口でパクリと食べてしまいました。その後、園庭の放射線量の測定をした後、なんとなく気になったのでもう一度、小さい方のカメのケースを覗いてみました。すると、動いた形跡がなく先ほどと全く同じ様子。まさかと思いながらカメをつついてみたところ・・・。昨日まであんなに元気だったカメが、すでに天に召されていたのです。そこで、この状況を子どもたちに伝えるべきかどうか考えました。一つは、子どもたちに知らせることなく(気付かれる前に)埋めてあげること。もう一つはカメが死んだことを現実として受けてもらうべく知らせること。結局は後者を選び、「ねえねえ、みんなに聞いて欲しいことあるんだけど」と声をかけると3〜5歳児の子どもたちが2階ホールに集まってきてくれました。そこで、「あのね、悲しいお知らせがあるんだ。どうしてなのかわからないんだけど、赤ちゃんカメが死んじゃってた。みんなどうしたらいいと思う?」と話してみました。すると「え〜っ!どうして?」という反応とともに「じゃあ、別なカメ買え(飼え)ばいい」とか「捨てちゃったら」とか「かわいそう」など様々な意見が出てきました。その中で4歳児A組のZ君が「じゃあ、お墓作ってあげれば!?」と言ってくれたのです。その言葉に5歳児の子どもたちも納得でN組のJちゃんが「あのさあ、この前カナヘビのお墓作ったから、そこの近くにお墓作ればいい」と訴えると「うん!お花とか入れてあげればいい!」という意見が次々に出てきました。そのお陰で、さっきまで「別なカメを買え(飼え)ばいい」とか「捨てちゃう」と言っていた子どもたちも何かを感じてくれたようで、お墓を作ってあげることになりました。しかし5歳児は、お泊まり保育に向けて羽釜を使って二度目のご飯炊きを予定していたこともあり、さっきお墓を作りを提案してくれたZ君やA組の子どもたちがM先生と一緒に園庭に出てきてくれて雨の中お墓の場所を決め、穴を掘り、摘んできた花を供えた後、土をかけお祈りしてくれました。ちょうどその場所が5歳児の子どもたちがご飯を炊いていたところの目の前だったこともあり、5歳児の子どもたちも花を供えたりお祈りしてくれたり、寂しい中にも心温まるひとときとなりました。そんな子どもたちの姿に、カメの死を知ったとき「さてどうしよう?」と考えた自分が情けないと思ったと同時に、やっぱり伝えてよかったと思った次第です。しかし、明日以降、0〜2歳児が赤ちゃんカメが住んでいた飼育ケースが空になっていることを知ったときどのような反応を見せるかが少々心配ではありますが・・・。
2016年06月28日(火) No.1841 (園長日記)

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