Diary

やっぱり・・・。


今日はH組の子どもたちが待ちに待った白鳥を見に行く予定の日でした。昨日から天気予報を確認し間違いなく出かけられるだろうと思っていたものの、一つだけ心配なことがありました。それは、1月中一度も使うことなく定位置に停めたままだったバスのバッテリーでした。そう思いながらも、きっと大丈夫だろうと高をくくり、チェックすることなく当日の朝を迎えました。そこで、出勤後まずは届いていたメールの確認を済ませ、少々ご機嫌斜めで登園してきたS君をなだめるため一緒にバスのエンジンを掛けにいきました。するとどうでしょう、キーを差しイグニッションスイッチを回したところ悪い予想が的中し(バッテリーが弱ってしまっていて)エンジンがかかりません。時は8時過ぎ、出発時間まではまだもう少しあります。そこで、バスの車検整備をお願いしているYさんへ連絡を入れ、状況をお話しすると「では、一度出勤し出発時間に間に合うようにバッテリーを持って保育園に行きます」と何とも心強いお返事が返ってきました。それから数十分、約束通りバッテリーを持って来てくださり二つあるバッテリーのうち一つの交換作業をしてくださったのですがそれでもダメ。しかし、出発までのタイムリミットが迫って来ます。するとYさんは焦ることなく意を決したように、胸元からスマホを取りだし誰かに電話を始めました。「いつもどうもYです。今どこにいる?そう!ところで、○○のバッテリー今在庫ある?そう、でメーカーは?OK!ではそれ二つ大急ぎで第一光の子保育園に持って来て!俺まってるから!」そう言って電話を切ると「園長先生、大丈夫!間に合う!すぐくるから」とニッコリ。ほどなくして白い軽ワゴンが到着し、と同時に箱に入った新しいバッテリーが2つ届いたのです。そこからはアッという間に作業が進み、ついにエンジンがかかり予定通り白鳥を見に出かけられることになりました。もし、こんな無理を聞いて下さる方(業者)がいなければ、間違いなくH組のスケジュールは狂ってしまい子どもたちをがっかりさせ、N先生に迷惑をかけることになったことでしょう。そんなことからも、かかりつけのお医者さんのような整備工場、整備士のYさんは保育園にとって、いや、僕にとって心強い存在です。
 さて、肝心な白鳥見学の様子はと言えば、嬉しいことに、未だ北帰行に出ていない白鳥やカモたちがいたので子どもたちは大喜び。しかし、しばらくは川岸から離れたところにいたので子どもたちが「おいで〜!」と叫びながら持ってきたパンを投げると徐々に近づいてきて、その後は投げ入れられたパンやお米を競うように食べ始めるので子どもたちは興奮状態!!K君にいたってはカモが白鳥の赤ちゃんだと思っているようで「ほら、あかちゃんたべて!」と言いながら夢中でパンを投げ、白鳥が近づいてきたかと思うと「ほら!」と言って手から直接パンを食べさえようとする始末。そうかと思えばYちゃんはお友達とぶつかり両方の鼻から鼻血を流して泣き、同じようなタイミングでNちゃんが冷た〜い川に両足はまってしまい靴はもちろんのことズボンやジャンパーの裾がずぶ濡れとなりこれまた大泣き・・・。それでもN先生は冷静にNちゃんの着替えを済ませ、いっしょに出かけてくれた2歳児H組のS先生がYちゃんの鼻血の対応をしながらK君をはじめ子どもたちがNちゃんと同じようにずぶ濡れにならないように声を掛けてくれました。そのお蔭でその後はハプニングもなくバスに乗り園に戻ってくることができました。そんな帰路に就くバスの中で白鳥の絵を描くことを提案してみたところ、みんな喜んで取り組んでくれたようで、バスを停めた後、H組の保育室にNちゃんたちの様子を見に行ったときにはみんなが床に画用紙を広げクレヨン片手に夢中で白鳥を描いていました。その絵の中には「水かき」や「くちばし」といったパーツだけを描く子がいたり、パンを放り投げている様子まで描く子がいたりと子どもらしい表現豊かな作品が出来上がり、2階ホールが素敵な展覧会場となりました。そんな作品を見ると「やりなさい」と言われて描くのとは違い、自分の目で見たものをタイムリーに描く(描きたい)からこその作品であることを改めて確信することができました。「やっぱり」だと・・・。
2016年02月25日(木) No.1754 (園長日記)

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