Diary

良い学び


今日は宮城県保育協議会主催の保育者研修会が開催されました。午前中は「保育の中の食育」について宮城学院女子大学の平本福子教授がお話しをして下さったのですが、平本先生は食育は保育(教育)の一環であることを強調しておられましたが、乳幼児期の食育とは、栄養士がよく行っているような体を作るために必要な栄養などを絵や色分けしたものを使って教える小学校以降の教科のようなことではなく、体験を通して覚えていくことであると語っていました。このことは遊びを通して様々なことを学んでいく乳幼児期の保育(教育)と相違なく、そんな意味からも「包丁を持って調理することだけが食育ではない」「食卓を準備すること」も「『ごはんだよ』と知らせる」ということも食育であるという言葉の全てがストンと心に入りました。今日の研修で「食育は保育の一環である」ということを保育者がしっかりと知っていること、そして同じように栄養士が知っておくことの大切さを再確認することができました。ちなみに僕が研修会に参加していう時間に保育園では子どもたちが昨年度に続き、お迎えに来てくれる保護者のために「さつま汁」を作ってくれているはず。子どもたちが作ったさつま汁を保護者の皆さんが喜んで食べてくださることが子どもたちの成長につながることと思いますが、これこそが素晴らしい学び、食育になっていることでしょう。
 さて、午後はコマ回しの名人として有名な尚絅学院大学の安藤正樹准教授が保育現場での伝承遊びの必要性を実践を通して伝えて下さいました。ところが、参加者のほとんどが若い保育者ということもあり、ちょっと前の世代の方々であれば誰もができたであろう、お手玉が上手にできなかったり、コマ回しに絶対必要な紐が巻けなかったり・・・。そんなこともあり本当に基礎の基礎から伝えてもらうところから始まりました。そのお陰で多くの先生がコマ回しはできるようになりましたがお手玉は思うようにできず悪戦苦闘!!こればかりは短時間では習得できそうにないことを実感。このような悔しさや上手くなりたいという思いこそが、子どもたちの成長につながるのですが、現代は遊びの質が変わりテレビゲームなど室内で一人で遊ぶことができるようになり集団で遊ぶことが少なくなってしまいましたが、ガキ大将が活躍したような時代に当たり前にあった遊びが復活し心と体が健やかに育つように、僕が知っている遊びを保育に生かしたいものです。そのためには先生たちに昔の遊びを伝えることから始まることになるのでしょうが・・・。僕が幼いころには仙台駅東口(昔は駅裏と言いましたが)にコマ屋さん(こけし工房)があり、お小遣いに合わせてその場でコマを作ってくれたものですが、現代っ子はそんなことも経験できません。そう考えると昭和という時代には身近に生きるために必要なことがあったということでしょう。
2015年11月27日(金) No.1696 (園長日記)

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